ぼくの転生先は召喚獣?

MENON

第1話 天使の勘違い

 その日、ぼくは呆気なく死んだ。

「ああ、何もない人生だったな……」

 意識が遠のいていくのがわかる、これで終わりか……と思った。


「Well, hello there, good to see you」

(やあ、こんにちはよく来たね)


「え? 何? まさかの英語? は、ハロー!!

 いきなり目の前に現れた天使の様な小さい子に辿々たどたどしく返事をした。


「You are, unfortunately, dead」

(君は残念ながら死んでしまった)


「え? なに? なんて?」


「So, unfortunately for you, I've decided to have you reincarnated in another world」

(そこで、残念な君には、異世界に転生してもらうことにしたよ)


「あぁー、おけーおけー! ぜんっぜんわからん……」


「Okay, so what abilities do you prefer?

Like the strongest?」

(よし、ではどんな能力がお好みかな? やっぱり最強とか?)


 天使の様な子が細い腕で力こぶを作るような仕草をし、ぼくに聞いている。

「えーと、力こぶ? 見せて欲しいの?」

 ぼくは天使ちゃんに力こぶを見せてあげた。


「Okay, okay, so what kind do you want to be next?

I guess I'd like to be human」

(おけおけ、じゃあ次にどんな種類になりたい?

やっぱり人間かな?)


「ヒューマンは確か人間だな、ゲス? ゲスって何だ? なんか嫌な予感がする。ノーノーノー」

 ぼくはイヤイヤとジェスチャーで示す。


「What? You don't like it? What is it then, a creature?」

(え?嫌なの? じゃあ何かな、生き物とか?)


「マジでわかんねぇー、英語の点数一桁だったからな」


「You don't like that either.The only other thing I can think of is a summoner, but you don't like that, do you?」

(それも嫌なのね。あとは召喚獣くらいしかないけど、嫌だよね?)


「あーもう! わからん、もういいや! YES!!」


「I don't want to get in the way. ……Is that okay?」

(流石に嫌よね、って良いの?)


「おけおけ!」


「Seriously, you're weird. Well then, good luck with being the strongest summoner. Are you sure about this?」

(マジか、変な人だ。じゃあ、最強の召喚獣という事で、頑張って。本当に良いのかな)


 最後の言葉を聞いた後、光で包まれ目を開けている事が出来ず閉じてしまった。




「えーっと、次の方は……。事故で亡くなってしまった方だね………?? あれ? ルミ、何でここにいるの?」

「え? 何でって? 今さっき1人対応してたんだよ」

「いやいや、ルミは英語圏の人担当だからここじゃないよね?」

「え? じゃあ、あの人英語圏の人じゃなかったの!?」

「え? どの人よ?」

「えっとね……この人だよ!」

「ルミ!! その人は日本人だよ、だから私の担当だって!」

「え? ああーーーー!! 確かにあの人何も話さなかったな」

「話さなかったんじゃなくて、ルミの言葉が分からなくて返答出来なかっただけでしょ!!」

「ど、どうしよう!!」

「一体何に転生させたのよ!!」



「最強の召喚獣!」

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