シガレット¥510

ちい

第1話 午前4時

 まだ酔いが回る午前4時、携帯が鳴る。♪♪♪♪「誰だよ、?こんな時間に、」まだ起きていない頭を持ち上げ、携帯を手に取る。「・・・暇?」電話越しに聞こえる薄暗い声。暇なわけねえだろ!!!こんな時間にかけてくる奴がいるか!!!!!!!と叫んでやる。お前じゃなかったら。「、、、ん、どした、」俺は渋々答えた。これが俺の日常なのだ。昼に連絡を返しても彼女はいつも決まって午前4時に電話をかけてきた。彼女からの電話に出れるように爆音で通知が来るように設定していた。彼女からの午前4時にかかってくる俺を必要としてくれる電話がいつ来なくなるかわからなかった。怖かった。情けないことなんて俺が一番わかってる。俺は彼女に依存していた。俺は彼女に必要とされたかった。いや、必要とされている。彼女には俺がいなきゃダメなんだ。「夜寝れなくてまたコンビニ来ちゃったあ、えへへ、」彼女はいつもヘラヘラ笑っていた。でも俺には無理しているんだろうなあと感じていた。「早く寝ろよ」「来てくれないの?」いつも俺をこんな真夜中の暗闇の中へ誘う。「行かねえよ。」俺は今日も断った。依存していると格好悪く思われたくなかったから、平然を装った。そして、今日もタバコを吸いながら彼女を思って泣いた。

 

 

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