第13話 雷神眠りし刻また目醒める

 都内某ケータイショップ

 

 「えーっと本日のご用件が..スマホの故障」


「うむ、雷神の絵巻が鳴くのをやめた。これは何かの災いの予渦で御座ろう?」


「動かなくなったという事ですけど、何か原因となる事って具体的にわかりますかね?」


「原因か、ふむ..わからんな。」


「只今お昼の12頃を回りましたけど、今朝とか何処か行かれたりしませんでした?」


「…滝壺。」

原因ソレだよ!

何か電子機器片手に滝登りしてんだよ!


「こちら原因は〝水没〟という事で、新しい物と交換という形になるのですが、データ移行に数日かかってしまいます。」


「数刻、ならばその間はどうすればいい?」


「代用機をお使い頂きます。

あくまでも仮の物なので使用できる機能に制限が御座いますがご了承ください」


「代用機..成程な。」

言ってる事わかってんのかなこの人。確かこのスマホ買うときも相手したけどそんときも話全然わかってなかったわ。まぁ仕方ないか、スマホの説明なんて現代人でもわからんもの。来る人のほぼが分かったフリして帰るもの。


「こちらが代用機になります」


「これが代用機...風神か!?」

色違いだよ。

機種も違うだろよく見るとちゃんと見ろよ。第一シャンパンゴールドを雷神と呼ぶな


「新しい物の受け取り日ですが来週の..」


「恩に切る、かたじけない限りで御座る!」


「いやちょっとまだ話を..。」

いっちゃったよ。

..前もこんなんだったな確か、マジ忍者。


「でもお礼はしっかり言うんだよな。

そこだけちょっと悪い気はしないけどさ」

風神よ、我が手に宿りて雷を待つで御座る。


今日の忍法

『風神降臨』

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