第11話 濁りし水を喉へと通せば..

 都内某コーヒーショップ


 「いらっしゃいませー。」


 「うむ、寒皮殿の話によれば期間限定なるおれんじ・ふらぺちぃのとやらが美味なる喉越しと聞く、それを頼めるか?」


「オレンジフラペチーノですね、サイズの方ショート、トール、グランデ、ベンティとごぞいますがいかが致しますか?」

この質問困るだろうなぁ、わかりにくよね。


「そばよりもいいか?」


「はい?」


「この店の喉越しは、蕎麦よりいいのか?」


「……。」

困る質問するなよ。

この店携わって二ヶ月のバイト女子大生がそんな二択比べた事ある訳ないだろ!


「あ、天ぷらの奴じゃないぞ?

かけ蕎麦だ、煩わしくて済まない。」


どっちでもいいよ..。


「大きさどうします?」


「うむ、そうだな。

..ならば中程度に盛ってわさびを付けてくれ」


蕎麦じゃねぇよ!


「コーヒー飲みに来たんですよね!?」


「ああ、だから中程度に..」


コーヒーの注文だったの!?

トリッキーラインナップを受け持つ当店でも限界がおるわ、無くても二ヶ月目じゃ把握できておりません申し訳ないですっ!


「チキンバーガーとポテトセットで」


「そっちには行ったことあるの!?」


「あとそば。」


「そっちにもそばは無ぇよ!」


「あったぞ。」


「あったの!?」

可能性は無限大に御座る。


今日の忍法

『毒霧忍び足』


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