第3話 甘露に舌を鼓もうぞ

 都内某所


 「チーッス、また来ちゃいました!」


「あ、いらっしゃーい。」

また来たかスイーツ男子、今日もオレの甘い才能で舌をとろけさせてやるぜ!


「今日は友達を連れてきましたー。」


「暫し邪魔をする」


「あ、いらっしゃい。」

なんかスゲェ忍者来たぁっ〜!!

あんなガッツリコスプレする?

そろそろ夏だぞ、暑くねぇの!?

でも何頼むのあの人、凄い気になんだけど!


「何にしよっかなぁ〜..チーズケーキとかいいよなぁ。あ、クリームブリュレあんじゃん」


お前の注文どうでもいいから、どうせいつものチョコケーキだろ?


「まぁいいや、オレチョコケーキで。」

ほら、チョコケーキだ


「忍くん何にする?」

忍くんって言うんだ、なんか忍者っぽ。


「拙者は...みたらし団子とほうじ茶で頼む。」


無ぇよっ!

注文まで忍者だ、徹底されてるぅっー!!


「申し訳御座いません、当店みたらしもほうじ茶も置いてないんですよ。ていうかメニューみたらわかると思うんですよ、普通」


「何、そうなのか。

ならば他に..拙者に適した物はあるか?」


「オススメですね、わかりました!」

ヒヒヒ、身を預けたのが運の尽き。

お前に渾身の洋菓子をくれてやるぜ..!


〜数分後〜


「お待たせいたしました。

こちら当店自慢のモンブランで御座います」


「うおっ、スッゲ!

美味そうだね、モンブランッスよ!」


「うむ、頂くとしよう。」


さぁ頂け、そしてプロの腕に酔いしれろぉ!


「な、これはっ..!」


「どうスか、やっぱ美味いッスか?

ねぇ、超絶パナイ感じッスか!?」


ハハハハハ! 酔え、酔えぇっ!!


「最高に美味い栗きんとんだ。」


「……。」


和に変換してきた悔しいっ!!


「良い甘味処だな。」

洋菓子屋! ケーキ屋だっての!


「そうっしょ? そうっしょ?」


「ああ、最高だ。」


「…有難う御座いますっ!」

行きつけを見つけたで御座る。


今日の忍法

『みたらし送りきんとん。』



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