【★学園のアイドルが】俺をフったくせに、妹になったらめちゃくちゃ甘えてくる

とにまる

双子の姉妹編 一日目①


 うちのクラスには妖精がいる。


 もちろん本物じゃない。


 あまりに人間離れした美しさなので、皆にそう呼ばれている双子の姉妹だ。


 恐れ多くも俺は、双子の姉の方。天河姫華に告白した。


「ごめんなさい。あなたとは付き合えません」


 わかってた。


 聞く前からわかってたけど、でも初恋だった。一目惚れだった。


 大勢の人間が、毎日彼女に告白するのを見て、焦ってしまったんだ。


 でもまぁ後悔はない。


 好きな人に、好きだと言えたことは、間違ってはいないはずだ。


 良しとしよう。


 うん。


 なんか、涙でてきたけど。


 ティッシュどこだっけな。あ、あったあった。


 あれ? 家の前に誰かいるな?


 学校から徒歩15分。いろいろ考えているうちに家に着いたようだった。


 だれだ?


 家には今、誰もいないはずだ。母親は病死。父親は海外勤務だ。 


 ワンピースと大きな麦わら帽子。


 女の子か。


「あの……どうしました?」


 俺が声をかけると、女の子は顔をあげた。


 きめの細かい白い肌に、整った顔。大きな目。


「ひ、姫華さん!?」


 さっき告白して、俺を振ったクラスメイトがそこにいた。


「おかえりなさい」と、姫華さんが言って立ちあがった。


「な、なんで姫華さんが俺の家に?」


「ふふ。私、姫華じゃないですよ。妹の六花です」


「あ、妹さん?」


 なんだ。ビックリした。


「はい。コレならわかりますよね?」


 そう言って、彼女は帽子を脱いだ。ふわりと髪が広がって、頭につけた青いシュシュが見える。


 青いシュシュを左側につけているのが妹の六花さん。赤いシュシュを右側につけているのが姉の姫華さんだ。

「あ、でも。どうして六花さんがここに?」


 俺が聞くと、彼女はこう言った。


「実は、お願いがあってきました」


「おねがい?」


 俺が聞くと、彼女は大きく頭を下げて、


「今日からここに、一緒に住まわせてください!」




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