何の取り柄もない俺がどうして幼馴染から好かれることになった

らかん

第一話 病院生活を送る俺

 カーテンの隙間から朝日が差し込んでくる。


「ふぁぁ......」


 目をこすりながら体を起こす。

 目が覚めて最初に思ったことは、水が飲みたい。


「えっと......あああった」


 ベッド脇には少し小さい引き出しと、その横には小さい冷蔵庫がある。

 俺はその冷蔵庫からベッドボトルを取り出すと、一口水を飲んだ。


 俺こと佑哉ゆうやは訳あってこの病院に入院している。

 その訳とは、結構前にGWがありその休みで家族共に海外へと行っていた。

 しかし俺達が乗っていた飛行機が何らかのトラブルにより墜落。

 かろうじて俺は生きていたものの、俺の家族は......。


「......なんで、俺だけが残ったんだろうな」


 そう言う訳で、俺は色々な外傷を負ってしまったのだ。

 今は右腕に包帯が巻かれているだけになっているが、当時は頭や足などに包帯やらギプスやらが付いていたものだ。


「佑哉さん、朝食ですよ」


そんなことを思い出していると、若い看護師さんが俺の朝食を運んできてくれた。


「あっ、ありがとうございます」


俺は朝食を運んできてくれたことにお礼を言うと、その看護神は俺の右手を見て、


「その腕、まだ痛む?」


と聞いてきた。


「あ、いや、今は全然なんともないですよ」


俺は笑顔でそう答えてやった。


「そう。それならいいんだけど......もしなにかあったら、ナースコールのボタン押してね?」


「はい、分かってますってば」


「そう?じゃあ、食べ終えたらそのままにしてていいからね」


看護士さんはそう言うと、もう一度俺の右腕をチラッと見て病室を出て行った。


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