街
バブみ道日丿宮組
お題:見知らぬ町 制限時間:15分
街
「随分と大きな荷物を持ってるがどこかにいくのか?」
男が大きな荷物を持った女に声をかける。
「シェルターだよ。知らないの? この町、空爆されるんだよ」
まるで知らない情報だった。
「空爆? なにかあったのか? 聞いてないけど……」
男は空を見上げる。そこには青い空が広がっており、空爆するであろう戦闘機の姿はどこにもない。
「うーん、理由は知らないけど……更地にしたいらしい」
大雑把。
「更地にするのに空爆って非効率過ぎない? ビルに爆弾つけて爆破とかのがよっぽど確実性があると思うよ」
男たちのまわりにあるのは、どれも高くそびえるビルの数々。それが何1000メートルにも続いてる。これが仮に爆弾で破壊するとなれば、空爆するより時間がかかるだろう。ただそれは確実性があがるというメリットを放棄すればの話。
「わたしに言われても困るよ」
早く行きたいという意思表示をしながらも、女はきっちりと男の方を向いてた。
男はあまりここでは見慣れない優男。高身長で魅力的だった。
「確かに。用意するから待っててくれない?」
ふいにそんな言葉が出た。空爆の間隠れるシェルターの場所を知らないのもあったが、顔が好みで、今後に期待しての声掛けだった。
「いいよ。まだ一週間も先だしね」
「なんだ。ゆっくりする余裕があるじゃないか」
「そうなんだけど、軍服着た徘徊するようになるから。なんか気持ち的に」
「圧迫感か」
「一応国が用意してくれてるからさ、シェルターのいい場所とっておこうって思ってさ」
「へぇ……なんでうちには連絡なかったんだろう?」
「さぁ? でも、連絡があったのは書類だったよ。なんか見たことのないハンコが押されてたけど」
「まぁ……いいや。すぐ準備する。休憩するなら、リビングで休んでてくれ」
わかった。女は男に続いて、家の中に入った。
街 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます