魔法使い

バブみ道日丿宮組

お題:穏やかな魔法使い 制限時間:15分


魔法使い

 魔法使いと呼ばれるものは、意外にもそばにいる。

 というのもわたしも魔法使いだからだ。

 交通事故を加速して防いだり、自殺者を風の魔法で防いだり、嫌な政治家を転ばせたりと、いろんなことをしてる。

 これらのことは、例外処理として対処されてる。

 魔法使いは、正義でもあり、執行官でもある。

 だからこそ、人の死を防ぐし、生命の脅かすものに攻撃を加える。

 もっとも個人に対しての一方的な攻撃、生命を奪い取るようなことは禁止されてる。そういった疑いがあれば、すぐに他の魔法使いに知られて、魔女、魔王として断罪されることになる。

 私の親はそうだった。

 汚名があるものの家を燃やして殺したり、自殺者のまわりにいる人間も一緒に殺したりして、魔法使いではない人の数を減らす活動をしてた。いわゆる魔法使い以外は敵とみなす人たちだ。

 親は実力のある使い手だったので完全に討伐されるまで3年がかかった。

 歴史の教科書にのるほどのものであったが、娘である私はお咎めなしだった。監視の目はつくものの普段と変わらない日常を送れてる。

 親が処刑されたとき、私は泣かなかったし、悔しかったり、嬉しかったりもしなかった。

 ただ単純に魔法で串刺しになってくものを眺めてた。

 罵声はたくさん聞こえた。

 悪魔、死霊、グール、オーガ、ヴァンパイア。

 もはや人ではないものばかりが耳に入ってきた。

 私に鋭い視線を送るものもいたが、隣に立ってる監視者に睨まれると、すぐに処刑場へと目をかえた。

 この監視者こそ、親を捕まえた人である。魔法使いの中でも指に入るほどの人で、私の親代わりをしてくれてる。

 のほほんとした穏やかな人であるが、やるときはやるのだ。

 聞いた話によると、街が2、3つ戦いによってなくなったという。

 それほどまでに親は強かったし、監視者も強かった。

 私はそんな彼らの間にいるもの。

 そういったものになるかもしれないもの。

 だからこそ、人は注目する。

 名前を見て、思考する。

 私はわたしだ。

 そういいたいのだけれど、世界はそれよりも広いのだ。

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魔法使い バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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