パーツ

バブみ道日丿宮組

お題:遅い絶望 制限時間:15分


パーツ

「ずいぶんと遅い到着だね。

 人という抜け殻をようやく抜け出したんだね。

 そこまでに至る気持ちの変化がどんなものであったか、ぜひ聞かせて欲しいね。時間はたくさんある。今更惜しむものでもないだろう。

 辛かったかい? 楽しかったかい? それとも怒りに包まれたかい?

 クイズのように君の思考を当てるのも1つの答えとしてあるだろう。

 ならば、当ててみようか。

 うーん、今日の晩ごはんは何にしようかな。じゃない?

 うんうん、違ったようだね。

 そうだね。

 大好きなこが肉の塊に変わってるのを目にしてそんな思考ができたのであれば、君も狂気に落ちたと言えるだろう。

 まぁまぁここまできたということはその片鱗はあったともいえるが……。

 何にしても、もうあのこはいないよ。

 土に還った、天に登った。

 そういう捉え方がいいのかもしれないね。

 あぁ大丈夫だよ。あのこは苦痛なく生命を終えることができたよ。

 そう。それだ。そこの食器に乗ってるのがあのこであったものだよ。少し味見してくかい?

 はは、怒らなくてもなくならないよ。単なる冗談だからね。

 さて、絶望感を抱いたところで希望を与えよう。

 あのこはまだ生きてる。生きてるというのであれば、生きてるといえる。

 それを救えるのはまさに君だけだ。

 名医と言われた君なら、もとの1つに戻すことも可能であろう。

 机に乗ってる地図通りに、あのこの身体は置かれてる。

 死んではいないよ。きちんと生命維持されてる。脈打ってるさ。

 細かくするのは大変だったよ。

 でも、地図を見てご覧。

 きちんと番号を書いてあるだろう?

 その順番につなげていけば、何も不自由なく元に戻すことができるだろう。

 もちろん、繋げる医者の力量によるが。

 わたし?

 わたしが戻すと思うのかね? そんな凶器を差し向けられたとして何も変わらない。

 逆に追い詰められたわたしが、生命維持装置を解除したりするかもしれないよ。

 そう。そうだ。君は君の役目を。わたしはわたしの役目をすればいい。

 時間が惜しいだろう。手術室はいつでもあけておくよ」

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パーツ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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