天井は現実的ではない
バブみ道日丿宮組
お題:かっこ悪い天井 制限時間:15分
独り言をいうゲームはどうなのかと思う。
「唐突にこうやって喋るのはひどくおかしい」
たまにならいいが、ほぼ常時心がオープンというのは信じられない。
「どうした? なんかあった?」
「いや……ないけどさ。休講にならないかなぁぐらいはいつも思ってるよ」
幼馴染に聞かれ、なんとなくな言葉が生まれた。
そこに意味はないけれど、
「教授の話面白いってこないだいってじゃない。嫌いになっちゃった?」
「そんなことはないよ」
講義に関係のないことを話してる教授の顔は清々しい感じがしてて好きだ。内容もよくある世間話ではなく、どちらかといえばマスコミがしそうなもの。
そういう話ばかりするから、それ目的に講義を取る人もいるらしい。かくいう僕もまたそれに属す。
「ーー2人っきりの時間ってなかなか取れないんだなぁって」
「……しょうがないじゃない。わたしたち学生なの。恋愛はその次よ」
否定しようのないことを言われた。
高校時代のがまだ自由があったかもしれない。
「でもさ、たまには平日に遊びたいものじゃないか?」
毎度の休日にデートしてるわけじゃない。会えない時間というのはどうしても出てくる。いつも部屋に泊まっててくれればそんなことはないのだけど……幼馴染は終電前にはいつも帰ってしまう。
それが少し寂しかったりする。
「まるまる休みってのはありえないよ。教授全体がインフルエンザになる確率なんて宝くじ当てるようなものだもの」
「その確率が本当になればいいのに」
「そんな確変中のパチンコみたいな話はないよ」
ちんこか。そういうのもしたいな。
「何じろじろ見て視線がすけべなんだけど」
「……いやちんこっていったからさ」
「パチンコよ。誰も卑猥なこといってないから」
周りがなにかざわついた気がする。
「そうだったかな。うん、そうだった」
幼馴染の眼力が身体中に突き刺さったので、断言できなくなった。
そうちんこではない。パチンコだ。
「そのパチンコなんだけど、よく確変がくるとか知ってるね」
「友だちが確変したらすごくお金出るっていつもいってたから」
そいつは大丈夫なのだろうか。
「そんなぽんぽん当たってたら、倒産しちゃうんじゃない」
「天井まで回せば、当たるからってのもいってたよ」
内容は知らないけどと、幼馴染は黒板に視線を向けた。
5分遅れたが教授がやってきたのだった。
こうして今日も勉学に励んだ。
天井は現実的ではない バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます