第290話 狂い始めた計画

 部屋に入ってきた瑠衣の雰囲気は異質なものだった、いつもの温厚な雰囲気では無く、痛々しく鋭い無数の針、息が詰まる様な雰囲気だった。


 禍々しい雰囲気を放つ瑠愛によく似ている。


「……る、瑠衣どうしたんだ?」

「え?、部屋に戻ってきたら、二人の喧嘩している声が聞こえたから、焦って入って来ちゃった♪」

「…そ、そうか」

「それで、二人はまだ仲直り出来ないの?」


 この会話の運び方は何処か異質で謎だった。

 会話が瑠衣に誘導され始めている。


「「……」」


「えぇ!?、マジで?……それはかなりヤバいな」


 瑠衣は二人を蔑んでいる。


(マジかよ、この二人仲直りしてないのか、これは私がどうにかしないといけないな)


 瑠衣の計画が狂い始めた。

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