第288話 切れる

「……」

「教えてよ?、ねぇ私はどうしたらいいの?」


 斗真は答えられなかった。

 辛い顔を見せるなとは言ったが、自分が瑠愛にどんな顔をして欲しいか、どういう形で謝罪をして欲しいか……それを自分自身が分かっていなかった。


「私は申し訳ないと思ってるし、一生許されないとも思ってるよ……でもね!、それを……私の気持ちを……全部否定する様な態度と言い方は……さすがに気分悪い」

「……」

「もうこれ以上は無理かもね」

「え?」

「最後に……本当にごめんなさい」

「る、瑠愛?」

「……それじゃ」


 瑠愛は言葉を残して、勝手に帰り出した。


 そして、瑠愛が扉の取っ手に触れた時だった。


 ガラッ


「……何してんの♪……クズネェ」


 瑠衣が現れた。

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