第287話 逆ギレ

「ハァハァ」


 全てが溢れ出した気がした。

 心の奥底に秘めていた本音が、自分の感情が、その全てを包み隠さずに伝えられた気がした。


 だが、それは最も最悪な形で……。


「──はぁ?」

「は?」


 瑠愛がブツブツと呟き出した。

 そして、先程から放っている禍々しいオーラが一気に濃くなった様に思えた。


「じゃあ……じゃあどんな顔して謝ったらいいの?、笑って?、泣いて?、怒って?、狂って?、ねぇ私はどんな顔をしてどんな態度で謝罪したら正解なの?、お涙頂戴エピソードでも語りながら謝罪した方が良かった?、冷たい態度で謝罪した方が良かった?」

「……る、瑠愛」


 逆ギレ……いや、ある意味、真っ当な意見だった。


「辛いのは当たり前じゃん!」

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