第278話 瑠愛の本音

「はぁ~」

 自分は何で帰ってしまったんだろう……あの時、許して貰えるば謝れば良かったのに……そしたら、また普通の関係に戻れると思っていたのに……何で……。


 瞳から涙が溢れ出してくる。


 元々、斗真が簡単に許してくれるとは思って無かった……なのにどうして……一回で諦めたの……。


 その行動の意味が分からなかった。


「…ッ……ウッ」

 辛い……心がギュッと締め付けられる。


「はぁ~すぐ泣くなんて、瑠愛らしくないね……そんな泣いてる暇があったら斗真に所に行けば?」

「!」


 背後から、呆れた声が聞こた。

 だが、その声には同時に優しさが含まれていた。


「瑠衣?」

「さっきぶりね……唐突で悪いけど……斗真の元に戻ってくれる?」

「え?」

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