第253話 ホッとした

 バタン


 家の扉が閉まる音が大きく響き渡った。


「先生、お疲れ様です」

 家の前には聡と余気魅が立っていた。

 二人の雰囲気は昨日とは違っていて温かく、優しかった。


「謝れました?」

「えぇ」

「まぁ二時間近くも謝罪をしてたら、当然ですよね」

「てか、軽い迷惑行為だよな?」

「ねぇ~」


 二人は時計を見て、少し呆れていた。

 表情がコロコロと変わり、軌道に対する気持ちの変化が感じられた。


「……流石にやり過ぎたかもね」

 軌道もちょっと自分の行動に異常さを感じていた。


 二人は軌道のホッとした顔を見て安心した。


「先生、後は俺達に任せて下さい!」


 二人はそう言って、斗真の家に入って行った。


 残された軌道は深々と頭を下げて、その場を去った。

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