第245話 影

「はぁ~疲れた」

 保健室に戻ってきた軌道は大きな溜め息を漏らしていた、表情も暗く疲労の様子が窺える。


「あ」

 保健室に設置されているベットの横を通った軌道はまだカーテンが閉まっている事に気が付いた。


(そう言えば、余気魅さんはどうしたのしかしら、カーテンが閉まっているって事はまだ中に……)

 軌道はカーテンを開けるとそこには誰も居なかった。

 また、ベットも綺麗に整えられていた。


「もう……帰ったの……かしら」

「いや、まだ帰ってないですよ」

「え?……ウッ」


 軌道は囁き声が聞こえたと同時に気を失った。

 気を失う瞬間、女子生徒の影が視界に入ったが、顔は確認出来なかった。


「先生、本当にすみません……聡が貴女をお呼びです」


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