第240話 あの人
「なぁ……瑠愛は何処だ?」
「……」
瑠衣は黙ってしまった。
涙は流しているが、その言葉を聞いた瞬間に乾き始めた、さっきまでの嬉しそうだった表情が徐々に曇っていく。
俺はそれに違和感を覚えた。
「あの人はもう帰ってこないよ」
「え?」
瑠衣は瑠愛の事をあの人と呼んだ。
名前も呼びたくない程に仲が悪くなったのか、最近会ってもいなかったのにここまで悪くなるものなのか、と言うより、帰ってこないって何だ?
「知らないってどう言う意味だ?」
「言われたの、あの人はもう帰ってこないって」
「誰にだ?」
「聡先輩と余気魅先輩」
「何で?」
「し、知らないよ!、そう言ってたんだもん!!」
「……」
俺はあの二人の言葉の意味が知りたくなった。
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