第235話 約束

(聡のあの顔久しぶりに見た)


 余気魅は聡に言われた通り、保健室に向かっていた。


 学校は丁度帰りのホームルームをしている時間だろうか……怒りと不安、色々な感情が混ざりあって時間も今の自分の状態も把握出来ない。

 歩いている体も左右に傾き、フラフラとしている。


(あの目は……使うんだろうな……を……もう使わないって約束したのに……でも私も約束を破りそうになったし……お互い様かな……私達、二人とも、後で謝らないとな)


 過去の約束が頭を過ぎっていく。

 思考はまとまらないのに、約束の話だけは何故かまとまり、冷静に考えられた。


 ──────────


【聡様、終わりました】


「……あぁ、ご苦労様」

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