第163話 覚悟

 斗真は瑠斗に包め隠さず、ストレートに聞いた。


 その言葉を聞いた瑠斗は笑った。

 まるで、その質問を待っていましたと言わんばかりに。


「……どうなんですか?」

「……」

「答えて下さい!」


 瑠斗は笑っているが、応えようとしなかった。

 理由は分からない。

 だが、彼が斗真に向けている視線には何故か優しさを感じる。


「……話してもいいけど、君にはそれを受け止める覚悟があるのかい?」

「……え?」

「僕達の交際は普通の交際とは違うんだ……色々と拗れている……それを聞いても、君は受け止められる自信はあるかい?」


 瑠斗は真剣だった。


 本気で覚悟があるかを聞いてきている。


 だからこそ、斗真もそれに応えたいと思った。


「覚悟は……あります!」

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