第161話 重い足取り

 瑠衣とお話を終えた後、斗真は教室に向かっていた。

 その間、何人かのよっ友とすれ違い挨拶を交わしていた。


 これだけを見ればいつも通りの学校生活なのに、斗真にとってはまるで別の世界の様に思えた。


(……マジで瑠愛どこ行ったんだろ?)


 あんな酷い事を言って、幻滅した相手なのに、頭の中は彼女の事でいっぱいで、それ以外の事は考える事ができない状態になってしまっていた。


 心は不安になり、体は少しふらついてる。


 そんな状態で斗真は廊下の曲がり角を曲がろうとした。


 その時だった──。


 視界の先にある男の姿が飛び込んでくる。


「……やぁ」

「…ん?」


 視界に現れたのは驚きの人物。


「……副…会長?」


「……少し話さないかい……斗真くん」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る