🌑新月の夜の怪談

みけねこ

第1話 スイミング

 私が通っているスイミングの友達は、自由時間に潜る時、私の手を掴んで引っ張って水面から顔を出す。私はいつも「重いからやめてよ~」と言うのだが、友達は一向にやめない。

 ある日の事、スイミングのその友達は休んでいた。休むのは珍しかったので、少し驚きながらも少し寂しく思っていた。

 自由時間に遊んでいると、また腕を引っ張られたので「もーやめてよー」と言いながら手を振りほどこうとしたが、放そうとしない。それどころかますます強い力で引っ張ってくる。

私はこの時気が付いた。確か、友達は今日休んでいたはず…。

じゃあ、手を引っ張っているのは?その瞬間、手を引っ張っている力がふっと緩んだ。

ずっと引っ張られていたら、今頃は……。

 スイミングが終わって着替えている時、ふと腕を見ると手の跡がついてアザになっていた。

そのアザは、1年経った今でも残っている。

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