第13話 おまけ 公爵と魔王
今、公爵家では新たなそれすらも問題が発生しています。
生まれた子供の取り合いを父と夫がしております。
「俺の子供だから、俺が一番に抱くんだ」
「いいえ、サリューチェちゃんは、じいじと一緒が良いよね」
「いや、パパの抱っこが良いよね」
サリューチェとは、私とネスト様との娘で、三人目の子供なのです。
あれからネスト様は私を全く放してくれないので次々と年子で生まれました。
上の子供達は皆男の子だったので、待望の女の子が生まれたのですが、いつも二人で取り合っています。
「いい加減にしてください。昔から意地が悪い。俺がマリアベーテルといい感じになると邪魔をするし、くだらない男を婚約者に選ぶ。嫌がらせにも程がある」
「えー、だってアーネスト様とすんなりくっついたら盛り上がらないでしょう」
「だからといって、普通親が娘にろくでもない男を宛がわないでしょう」
「でも、アーネスト様の事だから絶対弱味を握って潰すでしょう」
「あたり前です。誰が他の男にマリアベーテルを渡したりするもんか。マリアベーテルを虐めても泣かしてもいいのは俺だけです」
あれ、さらっとネスト様、鬼畜発言をなさった様な…?
「兎に角、サリューチェは俺の大事な娘ですから、変な男の毒牙にはかからせません」
「プププッ、変な男の代表みたいなアーネスト様が言うのは何か可笑しいですね」
あらあら、お父様言ってはいけない言葉を仰ったわ
「誰が変な男ですか」
「えー、アーネスト様自覚が無いんですか?マリアベーテルに、子供の頃からかなり付きまとっていましたし、言い寄る男供の弱味を握って抹殺してましたよね」
「ふん、俺のマリアベーテルに近寄るからだ。サリューチェも変な男が近寄ったら抹殺してやる」
「ほー、頼もしいですな。そう言えば王太子殿下が、アーネスト様が国の害虫駆除に貢献して頂いて感謝しておりましたな」
「チッ、兄上め。義父上と結託して、昔から面倒事を押し付けて、マリアベーテルとの時間を邪魔する」
「だって、アーネスト様がやると早く片付くんですよ。これからもお願いしますよ。害虫駆除を、ハハハ」
お父様なんだか楽しそうですわ。
でも、反対にネスト様は悔しそう、いつも余裕の旦那様の違った一面が見れて私も嬉しいですわ。
新鮮です。
「おかあたま、さりゅーちぇ、だっこ」
あらあら、嫡男のレオポンドが次男のスチュワートと仲良く手を繋いで、やって来ました。
ふふ、二人とも仲良しですね。微笑ましいですわ。
「にいたま」
ふふ、サリューチェはやっぱり兄達の方が良いみたいですわ。
三人が仲良くぎゅうぎゅう抱き合っているのをお父様とネスト様が見てがっかりしてますわ。
いつもの習慣なのにまだ、慣れないのでしょうか?
するとお母様が涙ぐむお父様をよしよししてますわ。
あら、子供達もお互いをよしよしし合っていますね。
とっても温かい家族の団欒ですわ。
でも、お一人だけ違うようですね。
「ネスト様、そんながっかりなさらないで下さい」
「リア、今から女の子を作ろう。後5人位欲しい」
「えっ、そんなの無理です。少し休ませて下さい」
「いや、ダメだ。今から頑張ろう」
何かのスイッチが入ったネスト様は、私をお姫様だっこで寝室まで運びました。
やっぱり最後はこうなるんですね。
又、来年、新しい家族が誕生する事でしょう。
翌日、興味津々で目を輝かせた嫡男から
「おかあたま、おとうたまとなにしてたんですか」
と聞かれた私は顔から火が出そうになりました。
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ご愛読ありがとうございました。
如何でしたか。
ご満足頂けたでしょうか。
沢山の応援メッセージをありがとうございました。
また、次回の作品でお会いしましょう!
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