第12話 その後

 何故か私はアーネスト様の膝の上に横抱きになっている


 解せない、どうしてこうなっているのだろう?


 彼は執務室で公爵の仕事をこなしている


 私は産まれてくる赤ちゃんの靴下を編んでいる


 「はあ、やっぱり、リアがいるとはかどるね」


 そう言いながら、私の額に口付ける、ん、嬉しいけれど私の体重は二人分、重さで足が潰れないのかしら?


 「重くないですか、ネスト様」


 最近愛称の呼び方が変わっている。自分専用の呼び方が欲しいと言われて


 アーネスト様を「アーリー」から「ネスト」


 私を「マリア」から「リア」に変更した


 私は時々間違えそうになるとその日の夜は恒例の【お仕置き】タイムと科している


 この【お仕置き】は義兄の頃からの習慣化されている


 月に一度は理由を付けて【お仕置き】を受ける現状


 何故か【お仕置き】をしているアーネスト様は嬉しそう


 かなり変態なのかも


 それに謎が一つ残っていて


 あの映像保存魔導具は、常に持ち歩いているのかな?


 何に使っているのかな?


 どうやってあの二人の閨の睦事を録音したのかな?


 「あのう、一つ疑問ですが、あの映像保存魔導具にあの二人のその、閨の様子は…」


 うう…これ以上はムリ


 恥ずかしくて最後まで言えなかった


 「ああ、あれね。アリアナに記念になるよって言ったら自分で録ったんだよね。愚か者だよね」


 確かにバカだとしか思えない


 あんな恥ずかしい行為を残すなんて貴族の令嬢のする事ではないのに


 「はあ、処でネスト様はいつもあの魔導具を持ち歩いているのですか?」


 「…」


 まさかの無言解答である


 固まっている彼を見て、録な事にしか使っていない気がしたが深く追求するのは止めた


 すると、恐怖の大魔王となったネスト様が


 「ほう、くだらない事を聞く口はこれかな?今日は【お仕置き】だね」


 「ご、ごめんなさい。もう聞きませんから、許して~」


 焦った私は、謝ったがもう遅かった。どうやら私は食べられそうだ。


 意地悪い黒い微笑みを私に向けながら唇を塞いだアーティスト様。


 もう、私のバカバカバカ、又要らぬ事を言って、彼の鬼畜スイッチを押してしまった


 今夜は寝かせて貰えないだろう


 仕方がないお昼寝をたっぷりとしておこう


 心の中で呟いきながら反省した

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