第10話 父に魔王は叱られる

 父達が夕刻に帰って来るともう既に情事は終わっていた


 只今絶賛お説教中


 「殿下、なんて事をしてくれたのです。娘に無理やり」


 「あらあら、まあ」


 お母様はお父様と対照に笑っていますね


 「どうせ、俺の妻になるんだ。後でも先でも一緒だろう」


 「そういう問題ではありません」


 プルプルと震えながら怒りを抑えているお父様


 正反対に義兄は私を横抱きに頭や額に口付ける


 あんなに俺様大魔王が今や溺愛王子様に大変身


 身体を繋げたらどうやら満足した様で


 「マリアは可愛い、愛しているよ」


 口付けの嵐を浴びながら、チラリとお父様を見ると顔から滝の様な涙を流している


 お母様がハンカチで拭いているが、あれでは足りないでしょう


 シーツを持って来なければ


 「アーリー愛しています」


 と照れ隠しで告げると、目を開いて見る見る内に顔が赤くなる


 じっと見ていたら


 「そんなに見つめるなよ」


 そんな彼が何だが可愛いく見えた私はギュッと抱き締めた


 幸せな気分になった

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