6.祭りの余興はいかがでしょう?

 そんなわけで翌日。フェスティバルの当日です。

 一晩かけて足跡を追うとか言われなくて本当に良かったと安心しつつ、イベントを開始します。


GM : 朝の9時になるとフェスティバル開催の挨拶が行われ、派手な音楽と共にフェスティバルが始まります。えらいリカントの族長さんが挨拶したり、有名な音楽家が開催の音楽流したり、ジェニーの部族のことも……挨拶の中で触れられたりするのかも


ナング : 族長さんの話が長くて貧血で倒れる子が出たり?


ジェニー : 話が長くなる前にショックで倒れそうなんですけど


GM : どっちかって言うと、挨拶聞かずに飯食っている奴の方が多いと思う(笑)


ジェニー : ワンコか


GM : ま、そんな感じで滞りなく式典は始まり、皆さんの警備が始まります。では、ルールを説明しますね


 フェスタの敷地には「食べ物エリア」「道具エリア」「衣服エリア」「動物エリア」「中央広場」があります。朝9時から夕方18時までの9時間にわたって行われ、PC達は90分ごとに、どれか1つのエリアを見回ります。つまり6つの時間帯があり、それぞれの時間帯ごとにどのエリアにいるのかを選ばなければなりません。

 なお、報告や相談のためにフルシル神殿に戻る場合は、必要時間を考えず、用事を済ますことが可能です。


GM : 皆さんには警備の印である黄色い腕章が渡されます


ジェニー : マジックテープでくっつくやつ


GM : 基本的にはつけておくようにお願いします。覆面パトカーして問題起こした人を捕らえるよりも、「冒険者が警備してるぜー」って空気出す方が重要なのよ


ジェニー : 抑止力


GM : TRPGフェスティバルにおける緑色のTシャツみたいなもんですね


ナング : 最初は動物エリアから見てみるって話だったね


GM : では、皆さんは動物エリアにやってきます。動物エリアは基本的に家畜の交易が行われています。リカントが育てた羊を売っていたり、狩猟で捕らえた熊の毛皮が売られていたりって感じです


ナング : ウマのガチャが行われていたり……(笑)


商人リカント(GM) :「こっちの牡馬だが、なかなかに優秀な血統でねえ。どうですか、お客さん」


GM : みたいな感じかしらね。みんなはそんな所を腕章着けて見回っているわけです。中にはあまり見ない動物なんかもいる訳ですわ


ジェニー : 「わかってはいたけど、さすがに今の状態だと平和だね」


GM : この面子だと、あんま興味持たずに真面目に警備してそうではある


フラッド(GM) : 「ま、平和に越したことはあるまいさ」


ジェニー : 「そうだね、本当にそう思う」


GM : なんて、話をしているところで恐縮なんですが、


ジェニー : トリケラトプスでも来るんだろうか


ナング : 話の途中に申し訳ないが、ワイバーンが来るのかもしれない


GM : リカント「大変だぁ、動物が逃げ出した!」


ナング : 「早くも平和が終ったようだな……いくぞ!」


クリスティーネ : 「もうちょっと平和であって欲しかったわ」


ジェニー : 「猫が逃げたくらいならまだ平和だけど……」


GM : ワイバーンではないが、鱗のついた動物がカサコソしています


クリスティーネ : (ころころ)魔物知識判定は15ですわ


GM : 15あれば弱点まで抜けるね。クロコダイル2匹です。大きな体格のワニで、強靭な顎を以って、何でもバリバリかみ砕きます


ナング : ク、クロコダイール!


ジェニー : 放っておいても、100日後に死ぬ。いや今日大変だよ


GM : リカント「珍しく捕まえたクロコダイルが逃げ出しちまったんだ。人を怪我する前に仕留めてくれぇ」


ジェニー : 「えっ待って、シメちゃっていいの?」


クリスティーネ : 「クロコダイルね。よく持って来れたわね」


ナング : 「……家畜ではないのだな。では手加減はなしだ!」


クリスティーネ : 「あ、食用にはなるらしいわよ。」


ナング : 100日どころか本日中に死ぬワニになってしまった


ジェニー : 反応が腹具合によるらしいんですが……


商人リカント(GM) : 「うちのウマが食われたらどうしてくれるんだ!」


ジェニー : 了解、まあ……殺さないように手加減しようか。樫の杖をしまって、魔力投げかな。「これあんまり慣れないんだけど……やってみよう!」


 先制はクロコダイルが取得し、PCが前衛に出る形になります。

 また、クリスティーネがオークを呼んでいたので、こちらは後衛へ。


ジェニー : ごめん


ナング : なに、≪全力攻撃≫や≪魔力撃≫のペナの事考えれば初手後手の方が得すらある


GM : ワニの攻撃です。ナングとジェニーに14と言ってかみつきます


ジェニー : 「(ころころ)おっとと」


ナング : 「(ころころ)なんのっ」


GM : かわすなあ。それでは、後攻の手番ですね


クリスティーネ : なら、≪魔力撃≫乗っけてワニAに攻撃(ころころ)低いですわね


GM : クロコダイル「シャッ」


クリスティーネ : 「こらっ、大きいのに避けるな!」


ジェニー : こっちは投げ! ≪魔力撃≫も乗っけます


GM : そこそこに効いたがまだまだ


ナング : では竜の戦士がブレイクしましょうか。転んだところにナング行きまーす(ころころ)あれぇ!?


ジェニー : 平和だ


ナング : おおっとぉ!?


GM : 50点どうぞ(笑)。なんか、祭りの会場の平和な戦いって気がする。気付けば周りのリカントも応援してきてたり


ジェニー : 「これ投げてる場合じゃないね」


ナング : 「……すっかり見世物になってしまった、な」


ジェニー : 「平和でいいじゃない」


GM : リカント達「がんばれー、がんばれー!」


クリスティーネ : 「私は見る方が良かったのに……さっさとかたづけましょ」


フラッド(GM) : 「まあ、仕方あるまいさ。戦場が広がらんよう、こっちが見ておく。存分にやってくれ」


 そして、2ラウンド目のクロコダイルの攻撃ですが、再びナングが回避(ナング「俺は重戦士のつもりなんだが……」ジェニー「長男すごい」)。

 とは言え、手加減してると時間かかりそうなので、ちょっと本気を出そうとするのですが……。


クリスティーネ : 命中ですわね。無傷の方なので、多少回っても大丈夫……(ころころ)アルェ? ダメージで自動失敗!?


ジェニー : こっちは2回殴るから大丈夫……(ころころころころ)


GM : その出目だと片方回避だね


ジェニー : 変幻魔力ダブル素手パンチ! (ころころ)また1ゾロ!?


ナング : 今日は一体何なんだ!


GM : なんか、ジャッキーチェン映画の序盤戦闘みたいな空気になっている


ジェニー : みんなでワニとあそぼうのコーナー


GM : たしかに(笑)


ナング : 「余興はもういいだろう? とりゃあっ」


フラッド(GM) : 「良かった。儂はそろそろ、賭けの胴元始めようかと思っていたぞ」


 それから数ターン殴り、出目の悪さに翻弄されるも、ようやく1匹を仕留めます。

 そして、残った1匹を追い詰めたところで……。


ジェニー : (ころころ)うーん、また1ゾロ


GM : 今日はもう、こういう日なんだな


ジェニー : カッコよくキメようとおもってすっ転びます


ナング : 一応ナングでとどめ刺した方がいいですかね? それともクリスティーネ一矢報います?


クリスティーネ : 刃物で手加減は出来ないと思うし、決めてください


ナング : 分かった。では行くぞ。たぁ!(ころころ)


GM : (HPを確認)駄目だ。それで倒れますね。


ジェニー : 「やっぱり長男ってすごいべ」


GM : リカント達から割れんばかりの歓声が上がる(笑)


ナング : 「これだけ人の目が有る場所で、かっこ悪くはできないだろう?」


飼い主リカント(GM) :「いやあ、まさか生け捕りにしてくれるとは! ありがとうございました!」


ナング : 長男は「かっこいい冒険者」を演じ切らねばならぬのです


GM : それでは、リカント達による喝采の声を背に、皆さんは去っていくわけですね(笑)。生け捕りにしたのなら、手当に色を付けておきましょう


ナング : 「こんな時の為の冒険者です。お力に成れてよかったですよ」


GM : さて、そんな所で皆さん。探索判定をお願いします。


ジェニー : (ころころ)成功です。「はいはい、おとなしくしててね(ワニを運んでいる)」


GM : 了解。ワニを檻まで運んでいったわけですが、檻の鍵が無理やり開けられているのに気づきます。正規の鍵だとこうはならない


ジェニー : 「…………」


ナング : おっと、こいつは


クリスティーネ : 蛮族かしらね


ジェニー : 足跡とか残っています?


GM : 足跡は結構人の行きかっている場所だし、分からないかな


ジェニー : 「紛れた……マズイわね」


ナング : 「ジェニー、檻の扉を見つめてどうしたんだい?」


クリスティーネ : 「何か見つけたの?」


ジェニー : 力でねじ開けられた檻を指さします


クリスティーネ : 「……」


ナング : 「力任せにねじ切った跡……人族の盗賊のやり口ではないな」


ジェニー : 「力の強い蛮族が紛れ込んでいる。ゴブリンとかにはこれは無理」


ジェニー : 「オーガがお客さんを食べて紛れ込んでることも考えないといけない」


クリスティーネ : 「可能性の話とは言え、厄介ですわね……」


GM : 実のところ「参加者を食って入れ替わる」必要はそんなになくて、人が沢山いて入れ替わりも多い場所なので、人間に化けられるレッサーオーガだったら余裕の環境ではある。リカントの祭りではあるけど、他の種族だって祭りに興味を持って入ってきてるしね


ナング : 「しかし直接暴れるのでなく、こういう手で混乱を起こしてくるのならば……次に危ないのは魔動機が有るらしい道具エリア、か?」


ジェニー : 「読めないよね。食料に毒の可能性だってある」


ナング : 「ならば一旦、神殿のフォス殿に報告しておこう」


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