5.会場下見、あるいは想定外のアクシデント

ナング : 明日からの本番の前に、会場の下見とかってできます?


 ここでGMは考えます。シナリオ上で事前下見について、記載はありませんでした。

 ですが、行動する上でも情報があった方が動きやすいでしょう。後々の伏線も撒けます。それに、せっかくの提案なので、乗った方が盛り上がりそうです。

 そこで、イベントを生やすことにしました。


GM : 構わないよー


ナング : 金目のものが多いエリアがどこかだけでも辺りを点けとかないとね


GM : じゃあ、帰りに会場下見していくのであれば、先に来ていたリカントとかイベント業者の人が会場設営している


ナング : 鼠のリカントが隠し通路掘ってたりしないだろうね(笑)


クリスティーネ : 「本番前の舞台裏も興味深いものですわね。」


ジェニー : あっこれまさか設営のリカントが自分のこと知ってるとかあったりしないだろうな。同郷は確実にいないんですけど


GM : (ころころ)直接の知り合いはいない。探せばジェニーの友人家族知ってる人はいるかもねって位かな


ナング : では業者にはこっちが話しかけましょうか。「失礼、明日から祭りの間ここを警護させてもらう者だ。ここの守りは厚くしてほしい、などと言った場所はあるかな?」


GM : じゃ、聞き込み判定してください


 達成値が高いのはジェニーでした。


ジェニー : 「何か、ゴブリンやフッドのような足跡ってあったかしら」


業者(GM) : 「そうだねえ。例年、食べ物エリアは喧嘩とかアクシデントが絶えない場所なんで、冒険者の人がいるならそこにいてくれると嬉しいねエ」


ナング : たしかにもめ事は一番多いか、盗賊由来じゃなさそうだけど


ジェニー : 「歯の形が違ったりするから揉めるわね」


業者(GM) : 「実のところ、蛮族が多いから警備を頼んだってことなんで、具体的にどこが襲われそうかってのは何とも言えないなあ。実はここだけの話、蛮族の武装強盗集団に最近部族が一つ滅ぼされたってのがあってね。みんな警戒しているのさ」


ナング : 言いおったよ(笑)


クリスティーネ : 直球ッ!


GM : 業者さんは気付いていないので(笑)


ジェニー : 「…………そう。そうなんだ」お祭りモード短かった


業者(GM) : 「あと、金目のものってわけでもないが、動物エリアが襲われたとしたら、パニックが大きくなりやすいかもしれない」


ナング : 「やはり動物、か…」


業者(GM) : 「家畜の売買やっているからね。暴れたりしたら大騒ぎになるだろうさ」


ジェニー : 「移動に使えるし、襲うのにも使える。いざという時には食料にもなる。奪うには都合がいい」


ナング : やっぱり家畜で良かったんですね、動物エリア


業者(GM) : 「嬢ちゃん、話が速いねエ。中には珍しい動物持ち込んでいる奴もいるしな」


ジェニー : 「まずいよ。売ることもできる。ここ重点で狙ってくる可能性結構ある。下見に来るかもしれない」


ナング : それぞれのエリア、名前からのイメージだけで実際に何を扱ってるかまだ把握してないんですよね


GM : じゃ、業者さんから説明しましょうか。こんな感じです。


 食べ物エリア:リカント達による屋台村。郷土料理が味わえる。

 道具エリア:日用品や工芸品のバザーがあり、農業用魔動機械の売買も行われている。人間や鉱人も便乗して商売している。

 衣服エリア:各部族の民族衣装や革製品の売買が行われている。

 動物エリア:家畜の売買が行われている。

 中央エリア:様々な競技会や部族をまたぐお見合いのダンスパーティーが行われている。


ナング : 魔動機械! 動物並みに不味いものが置いてあるね。『シナリオに登場する魔動機械は暴走するために存在している』とも言う(笑)


ジェニー : 動物エリアに陽動部隊仕掛けて、裏で魔動機械動かすみたいなヤツでそうですね


GM : 業者さんは「冒険者さんってのは色々考えるもんだねえ」ってのんきな顔している(笑)。リカント自体が種族的に図太いから、来るならどんと来いやって所はあるのよね


ナング : 「教授の言う通り巡回が理想的だが…あえて重視するなら動物と道具エリアだろうな。(小声)こういっちゃなんだが食べ物エリアでの喧騒は、まぁ、リカント達でご自由にというか」


ジェニー : 「実のところ、そんな気がしてる。他の2つはちょっと見逃せない」


フラッド(GM) : 「だな、トラブルを起こすきっかけに出来るものが結構あるようだ」


GM : では、そんな感じで相談した所で翌朝でよろしいかしら?


 さすがにそろそろアドリブにも限界が近づいてきたGM(笑)。

 しかし、復讐一直線少女ジェニーは食い下がる。


ジェニー : 今日の夜とかに暗視持ちがざっと見回るのはアリかなと思ったんだけど、どうかな


GM : 分かった。判定してみてください。(ころころ)出目いいね。そうするとジェニーは蛮族のものと思しき足跡を発見した


ジェニー : 「……教授、来て。足跡がある、確実に来ている」ところで、どのエリアの近くにいますか?


GM : 大人数で侵攻している、というよりも偵察って印象かしらね。食べ物エリアの近くだね


ジェニー : 「ちょっと読みを外した、食べ物エリアの近くだよ」


クリスティーネ : 「これですわね。どうしましょうかしら。先に仕掛ける?」


ナング : 偵察、食い意地に負ける、かな?


GM : とは言え、足跡自体は結構前のものなんで、これを追跡しても追いつけるかは怪しい所だよ


ジェニー : 「明日食料エリアを重点的にいって、偵察に来たヤツを捕らえて、情報聞き出そう」


GM : まあ、そうなるな


ジェニー : 「情報の内容によっては神殿に報告して、作戦を立てる。もしヤツラが来たなら、容赦はしない」


GM : ハンドアウト用意した身で言うのも何だが、原則はバイトでめっちゃ気楽でのんきな雰囲気のシナリオなんで、のんびりしてくれー(笑)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る