5:何者? 幽霊女
お菓子作りをしていた女性を
ティグリス:「どうしましょう。旅の冒険者を装って潜入してみますか?」
アムラシウス:「その方が事を運びやすいかもしれないな」
ジャスミン:「では正面口から『来客』として女性陣が先に行くのはどうでしょう?」
ジャスミン:「相手が女性を狙っているのなら通してもらえるかもしれません」
リン:「なるほど、名案ですね」
ティグリス:「となると、アムラシウスさんだけが別行動、ということですか? むむむ」
リン:「アムラシウスさんも女装すれば行けたりしませんか?」
アムラシウス:「ん、そうだな……いや、こんなに背の高い女はそういまい。怪しまれるだろう」
リン:「そうですか……では一人で残ることになってしまいますね。流石に危険なので、誰かもう一人残した方がいいでしょうか」
ティグリス:「そうですね……ティエンスならギリギリ通るかもしれませんが……」
アイズ:「たとえ男でも魅了されないとは限らない、あらゆる可能性は常に思考に入れておくものだ、フフ……」だんだん語彙力がなくなってきたな
ティグリス:たいへんそう
アムラシウス:「まあ、この通り(帽子を脱いで)ナイトメアだからな。誤魔化せるかもしれん。少し頑張ってみるか」
ティグリス:「少し丈は短いですが……着替えなら予備が」
アムラシウス:ではティグリスの服を借りて女装しよう。では数分後、高身長美女が現れるよ
リン:「きれい…」
ティグリス:「おお、お似合いです」
アムラシウス:「褒めても何も出ないよ」
ジャスミン:「これなら、正面から行けるかもしれないですね」
アイズ:「ほう。表裏一体、千変万化……フフ、悪くはない」
GM:(う~む、ちょっとマズい流れだな)じゃあ、正面からということで
*
GM/魅了された冒険者A:君たちが近づくと、門番をしている女性が反応するよ「む……何者だ」
リン:チャットの名前欄にもう『魅了された』って書いちゃってるんですけどいいんですか?
……ソウダネ?
GM:細かいことは気にするな。どうせ察してるんだろお前ら
アムラシウス:なんのことだろうね? まだそこに関する判定はしていなかったと思うが
ジャスミン:「すみません、近くの森へ依頼で行った冒険者なのですが。」
GM/魅了された冒険者A:「ふむ」
ティグリス:「道に迷ってしまいまして……」
リン:「そうなんです…」(申し訳なさそうな顔)
GM/魅了された冒険者B:「迷子ですか」
アイズ:「迷ってしまったのだよ、フフ……そう、人生という名の道に」
GM/魅了された冒険者A:「町まで3時間ほど、流石に日が暮れるな」
GM/魅了された冒険者B:「仕方ありません、一晩泊めてあげましょう。そのような事情ならコーティル様も了承してくださるはずです」
ジャスミン:「館の主に話を通してもらえるんですね! ありがとうございます」
GM/魅了された冒険者A:「そうだな、男は……」(ひとりひとりの顔を見て)「若干怪しく見えたがいないようだな。入っていい。お前は案内してやれ」
ティグリス:「(ほっ。美形で助かりましたね)」
リン:そこの女装してる男装の麗人のことかもしれないですよ
ジャスミン:そう言うとかなりややこしいことになってますね
GM/魅了された冒険者B:「はーい」
アイズ:「喜悦。……フフ、虎視眈々と参ろうか」
と、ここでGMの失敗が確定する。
本当は門番の冒険者(だった人)たちを相手に戦闘して、ティグリスさんのアームフッカーに武器を叩き落されてみせるつもりだったんだけれども、穏当なやり取りで丸め込まれてしまった。この人たち、魅了されてるけど道に迷った女性をわざわざ追い返す理由は特にないんだよな……ここから戦闘に持ち込む誘導も思いつかないし、ボス戦は単体で出す予定なので、すまんなティグリスさん……
とまあ、こんな風に想定してない展開になるのもTRPGの醍醐味。ペラ紙一枚にも満たないメモのシナリオをアドリブで回すのこそが本質!(言い訳)
GM:では一旦、応接間に通されます
GM/魅了された冒険者B:「ちょっと待っていてくださいね」と言って部屋から出ていく
ジャスミン:「ずうずうしいお願いにも関わらず、寛大なはからいをありがとうございます」
ティグリス:「……ふぅ。ひとまず侵入成功ですね……」
リン:そういえば、男がいないか確認されたのはなんだったのでしょう
ジャスミン:やはり、タコンショとはショタ……
アムラシウス:魅了してくるショタ、か
GM:んー? ナンノコトカナー? さて、少し経ったらコンコンとドアがノックされます。
GM/??:「へへ、お茶、お持ちしましたぁ~~」女性の声ですね
ジャスミン:(へへ……?)
ティグリス:わぁいお茶
GM:入っていいかな?
ジャスミン:どうぞどうぞ
ティグリス:どうぞどうぞ
GM/謎の女性:「失礼しま~す……へへ、どうぞ~」
ティグリス:「ありがとうございます(毒かなぁ)」
ジャスミン:「どうも。わざわざお茶まで出していただけるなんて」(口はつけない)
アイズ:「この身は既にヒトならざる物。故に、もはや摂食は不要の長物。……だが、しかし。この一時、香りを楽しむのもまた悪くない」
GM/謎の女性:「へへ……道に迷ったて言い訳してるみたいだけど、コーティルきゅんに会いに来たんだよねぇ~……? わかるよぉ~……?」
リン:「へ?」
アイズ:「フフ。如何したものか。私は既に分からないのだよ、己が」
GM/謎の女性:「魅力、気付いてるのに、認められないんだねぇ~……?」
ティグリス:「……じゃあ、実のところ、お噂はかねがね」
リン:「え、あ、そう、やっぱりバレちゃいます?」(心が痛む)
ジャスミン:「まあ、女性だけのパーティで通りかかれば当然お見通しですよね」
GM/謎の女性:「へへ……そんな君たちに、びっぐちゃぁ~~んす」
ジャスミン:「……?」
リン:「そんなの、教えていただいていいんですか!? 独り占めしないなんて、お優しい方ですね」
GM/謎の女性:「私とトランプ勝負、勝ったら、コーティルきゅんがよく見える特別な眼鏡、あげちゃうよ~~」
リン:「スゥ~~……」
ティグリス:「(見える特別な眼鏡……?)」
アムラシウス:「(どういうことだろうか……)」
リン:シャカパチする流れ?
GM:すっ……と袖口から取り出されたのは、何やらレンズが赤い眼鏡ですね
リン:レンズが? フレームじゃなくて?
GM:というわけでミニゲームです。ゲームという程じゃないけど
ジャスミン:はーい
GM:勝負は単純。女性より高い数値を引いたら赤の眼鏡をゲットできる。低くても定価の1.5倍(3000G)で買い取れるよ
リン:赤の眼鏡ってなんでしたっけ
アムラシウス:催眠効果を一度だけ無効化する装飾品だね
ティグリス:つまり、催眠使ってくるってことかなぁ
アイズ:右手力の勝負というわけだ。フフ、面白い
GM:あ、ただし2始まりのA>Kね
アイズ:JOKERは?
GM:忘れてた、じゃあ引き直しで
アイズ:了解
リン:……降りていい?
GM:降りるメリットは特にないが……
アイズ:フフ……法皇の魂を賭けよう
一同:(それぞれ一枚引く)
GM/謎の女性:どれどれ……うわったけぇ、クイーンじゃん
ティグリス:「あっ負けた……」シュン
アムラシウス:「ふむ……4。残念、負けてしまいましたね」
アイズ:「戯れもまた、一興……フフ」
ジャスミン:「か、勝った! 勝ちましたよ、キングです!」
GM:すまんな、勝ったのはジャスミンだけだ。
GM/謎の女性:「でわでわ、そこなキングの子、ど~ぞ~」
ジャスミン:「ありがとう! これで私にもコーティ様がじっくり見れるのですね!」
GM/謎の女性:「負けたけど欲しい! っていう人はいるかなぁ~?」
リン:「3000Gも持ち合わせてはいないですね」残ってる人いるんですか?
アムラシウス:「貰っておきたいな」いるよ
アイズ:「この身、無銭なれば」
ティグリス:「欲しいが持ち合わせがな……」
ジャスミン:「足りない分は少しであればお貸しできますよ」
ティグリス:「おお、ありがたい」ではじゃあ、300Gほど借りて買おう
GM/謎の女性:「お~け~、へへ、いい夢見るのもいいけど、いい現実も見れるといいね~~……」
GM:というわけで意味深な謎の女性は去っていきます
ティグリス:ねえ、これ、幽霊とかじゃないですよね?
ジャスミン:幽霊女説ですか
リン:足、あります?
GM:あるよ
リン:影は
GM:あるよ!!
GM/謎の女性:「あ、今、コーティルきゅんは”おあいて”で忙しいから、30分くらい待っててね~」
リン:「おあいて……?」
ティグリス:「(ふむ。
GM:意訳すると準備時間です。30分すると寝室に案内されます
リン:寝室ですか。ちょっと男性の寝室に行くのはためらうんですけど
ティグリス:なぁに最悪殴り倒せばいいんですよハハハ
リン:物騒なこと言ってる……
アムラシウス:そもそも男だしな
ティグリス:とりあえず応接間調べてみましょうか。いえ、私レンジャーなので調べられないんですが
ティグリス:あ、紅茶に毒が入ってないか見てみます。薬品学でできます?
GM:いいよ
ティグリス:(コロコロ……)達成値14。
アイズ:(ハチミツぐびー)
リン:はちみつ、毒ある事あるよね
GM:毒はないよ。探索結果は……
リン:(コロコロ……)出目11で達成値22。これは勝ったでしょう
ジャスミン:(コロコロ……)15。
リン:「お姉様、こんなもの見つけましたよ」(圧倒的数値で上から殴る音)
GM:そうだね、15以上が3人ということで月光の魔符+1を3枚あげよう
リン:わーい、ください(実は自前で魔符握ってる)
ティグリス:GMのサービスが凄くて後が怖い
ジャスミン:1枚もらいます
GM:まあ、そんなもんで?
アイズ:ハチミツ飲んだけど探索しちゃダメ?
GM:まあいいけど……
アイズ:(コロコロ……)あっ、自動成功
リン:草
GM:うわぁ!?
ティグリス:こいつ……
ジャスミン:ええ……
アイズ:全てを見通す
GM:じゃあ月光の魔符+2を1枚追加で
アイズ:わーい
リン:+2を……ください……(精神ボーナス2)
ティグリス:そうだね……じゃあ他はアイズさん以外で1枚ずつ分けときましょうか
ジャスミン:「よくやったわね、リン」
GM:では行こうか。冷静に考えてみたら結構サービスしたしナーフいらなかったかもな……?
リン:ナーフ…?
アイズ:フフ……頑張り給え、眠りに誘うのは敵だけではないのだから……
次回:ナーフいらなかったわ
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