負けヒロインの君とのルート√

ローレン

第1話 すたーと

『私…悠君のことが好き…好きだよぉぉ…』

このセリフを聞いた時僕は泣いてしまった

親友の事も好きだけどどうしても主人公のことを諦めきれないその健気さ

そしてその主人公に対する愛があまりにも純粋すぎ、恋愛経験ゼロの俺にはどうしても来るものがあった。

会社がいくらブラックでもこのゲームのことを考えるとやれる気がしていた

やれる気がしていたんだがなぁ

「もうさっさとしてくれない?」

「俺マジで死んじゃったの?」

「そりゃあもうぽっくりとね」

「めっちゃ言い方悪いな?!おいおい俺はまだチェリーキッスの波奈ちゃんのエンド見れてないんだが!」

「知らないわよ、死んだのはあなたの責任…そんなに生に執着を持ってたら地縛霊になるわよ、転生してなんとか人間引き直してもっかいやればいいじゃない」

「それじゃあ意味ないだろ!記憶とかもろもろ無くなるんだろ?」

「そりゃあもうスッポリと」

「お前ふざけてんだろ、死んでんだぞこっちはよぉ〜」

「知らないわよ、私の仕事は死んだ魂をさっさと転生させるだけ、ほらちゃっちゃと逝くわよ〜」

『まあ、待ちなさい』

「「?!」」

「あんたねぇ〜また異世界に飛ばす気?さっきトラックで跳ねられた人にエッグい能力与えて来たじゃない」

「まあまあ、今回の死者はこの世、いやこの会社のために身を捧げて働いたんです、異世界転生の許可をもらって来たんですよ!」

「2人で話してる所悪いが話が全く見えないんだが?」

「まあ、簡単に言うとですね!この世に不条理に死んだり、この世のために死んだような人には一つ願いを叶えた状態で好きな異世界に飛ばされるんですよ!前の人はドラゴンとか魔法とかある世界で最強として生まれ変わりたい!できれば記憶も保持した状態で!と言うことも可能です!」

「なるほどな…」

正直とってもありがたい話なんだが正直最強に生まれ変わって女の子にチヤホヤされたいなんて思わないし、ゆったりスローライフを送りたいとも思わないなぁ俺死ぬ前からそうだけどチェリーキッス以外に興味ないんだよなぁ…

ちょっと待てよ?

「チェリーキッスというギャルゲーの世界の主人公に異世界転生することは可能か?」

「先客がいたら無理だけど……あら!これは面白い!全然問題無いわよ!」

「マジですか!お願いします女神様ぁ!」

「私は知らないからね…」

「面白くなりそうだしいいじゃない!行くわよ!輪廻転生!」

うおっ!眩しっ!なんだこれなんか眠く…なってきた…


「〜〜きてー!おに〜ち〜〜早くおきて!」

「なんだぁ?ここはぁ?」

「何寝ぼけてんのお兄ちゃん?もう7時半だよ?早くご飯食べて学校行くよ!」

「がっこう?え?待てよ…お前の名前ってもしかして美羽か?」

「本当にどうしちゃったのお兄ちゃん?前からだけどあたまだいじょーぶ?」

「その喋り方やっぱり美羽だ…と言うことは…」

本当に来ちまった!チェリーキッスの世界に!

そして1番最初と一緒だ!朝に妹に起こされそして急いで学校に向かう…

そして新学期早々遅刻しかけるもギリギリ間に合いそして…

幼馴染ポジション、そして波奈の親友、唯香の登場だ!

もしもゲームどうりなら…

「俺はこんな可愛い妹に起こされて幸せ者だよ〜彼氏できたら言えよ〜」

これでどうだ?

「もー何言ってるのお兄ちゃん!早く行くよ!」

おお!少し違うが言ってることはゲームとニュアンスが一緒だ!

もしもこれを利用すれば…



 波奈とのエンドが見れる!


やるしかねぇ!なんとしてでも俺は波奈ちゃんとのエンドを作り上げてやる!

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