第15章:人の作りしデビル
悪魔、久々の事件
とある夜の街の小洒落た飲み屋で
人間の行いにしては不自然な殺しが起こる。
必死に
それでも謎の力に抗えず助からなかった名もなき悪党の亡骸・・・
それが無惨にも転がっていた。
「あんたが悪魔探偵さん?はじめまして。」
かつて生体科学を研究していた
ミリタリーな戦いをしていた魔法少女をバックアップ。
痕跡を残さない工作に秀でた特化チーム・・・
「掃除屋」と、その殺人現場で初顔合わせとなった。
この世界では警察は人間の人間による悪意で起こる犯罪にしか対応せず
1987年の村の儀式の失敗で悪魔の肉体に魂を宿してしまった涼とは別に
記録上は生き残り、大人になっている神代涼の兄:誠が設立した
警察特務部署で実績を重ね、表と裏の世界のバランスを図ろうとしていた。
つまり、悪魔や天界絡みの事象に出来るだけ対応すると言う方針で活動している。
傍から見ればテキパキと働く鑑識のチームだが
やってる事は残留している血液の成分からどこか人外の何かを嗅ぎつける事・・・
つまりは魔界由来の科学にまつわる事件を一手に引き受けているのだった。
結は久々に念写の能力を発動させてその時間軸の状況をリプレイする。
発生した時間から時間が経つと鮮明な映像は撮れないので、最低限の情報を得る。
何かの取引に揉めて、殺された男の前には、異形を纏った人間が映っていた。
「残留してる磁気から算出するに、最近横行してるオルタギアのユーザーです。」
探知デバイスからはラジオの電波が悪い時の残響が不協和音を出している・・・
適性があるからと言ってみんな正義の味方、と言うわけではない。
むしろ、人と違う何かになったら普通の生活が出来る者は居ないものだ。
「
独自に開発されてる動きは既に察知している。」
綾が魔法剣士だった頃からの付き合いである掃除屋のリーダー
詠泉坂
もはや慣れっこの事態。チームのメンバーは事件や修羅場を潜り抜けた精鋭。
現場には全員集まってるワケでは無いが
元警察官と言う共通項から悪魔探偵:
詠泉坂は昔の現場あるあるなどで軽く雑談を交わす。
「ところで、綾は元気にしてるのか?」
「私も人の事言えませんがウチの悪魔達を顎で使ってますよ・・・」
「まぁ、落ち込んでるワケじゃねえって事だな。ハハッ」
すると遅ればせながら
初対面の掃除屋の若手たちにとっては少し空気が冷えた。
「いつの間にか人も増えて来たもんだぜ。
・・・あっ。ガスの元栓閉めてきたかな?チョー不安だぜ」
言ってる事は大したことないが
彼特有のダバダバとおどける不必要な動きも相まって
少し現場は和む。しかし魔界からもたらされた技術で
人間が事件を起こした以上、真剣にやらないといけないのだった
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