悪魔と最低限の椅子

何故人は悩む?やるべきことがあるからだ。

何故人は悩む?越えなければいけない線だけが見えている。

最低限の普通と言う良く分からない概念を強いられてるからだ。


この世界と言うもの、地獄で括るにゃ生ぬるいぜ。

爆発してもならぬ、出来るだけ暴力も振るわぬ方が良い。

そんな事をすれば別の形で因果めいた結果になりお前が目指していた

最低限の椅子にすら座れないのだ。


その最低限の椅子とやらに座れない時に人は深く絶望する。

不思議な事に誰かに文字で書かれたルールでは無い。

己の感性が焼きうつした呪いの書なのだ。

その呪文の最後に希望が残っていればいい。

だが人は結末を書かない。何故かって言うと死ぬまで書けないのだ。


人生はずっとロックンロールのサビの様に続かない。

高鳴るイントロで始まっても歌い方や踊り方が分からなければ

楽しむ事は出来ない。だからきっとカッコいい生き方ってのはブルース。

どうしようもない事ですら悲しみに添えて成長した自分を記して

そういう生き方だろうと「なる様になってきたさ」と締めくくる。


人間の心に渦巻いてるモノは本人にしか分からぬし

普通の人間にだって闇や影の一つや二つや異次元だって存在する。

精神だけは三次元を突き抜けてるから気を付けろ!

お前の主観だけがこの世の基準であると思い込むでないぞ?

それが自分勝手な振る舞いにつながって居場所すら無くなるのだ。


例えば苦手なお勉強の科目があったとして満足に点数を取れない。

これじゃあ将来が無いからもうダメだ。そんな二元論は辞めろ。


海外では日本国とも異なる旅立ちプランを立てて首を括ってしまう。

頭を銃でぶっ飛ばしてしまう方々の悩みとして

世界で5本の指に入る大学に入れなかった。

ある途上国では牧場を持っていない。家畜を飼育できる資産が無い。

腕立て伏せが10回も出来ない・・・

そういう悩みで終わらせてしまう人がしこったまいるのだ。

そんな括りを決めたのは空気の読める奴なら分かるって言う

国や周りの奴らが勝手に掲げた目標に過ぎない。


誰だってそうだと思う。周りが上手くいってそうな状況下で

自分だけが取り残されてると思ったら必ず焦る。

だが、そういう線引きをしてるのは良くも悪くもお前自身だ。


確かに誰かと比べられるのを強いる競争社会と言うのは酷である。

負けたヤツが地獄に行く為のトーナメント・・・

足の引っ張り合いをしていると言い張るヤツだって居るが

その負け組とやらを決めつけるのは性根の腐った完全なる差別だぜ。


この国と言うものも、「これが出来て当たり前」と言うチェックリストが

職業、性別、年齢、家庭環境等において様々に付与されているが

ハッキリ言って「当たり前リスト」が多すぎるのだな・・・

文字や数字は読めて当たり前、良く知らねえ他人と仲良くして当たり前。

これにお前の将来設計や理想像が生み出した未来予想図から出てくる

「これが出来て当たり前」・・・無意識にハードルは上がって行く。


途上国・・・特にこの日本は先進途上国だぜ。

この国は平和だ。その辺を武装したギャングが殺人してるワケでもなく

お金を出せば正確な時間に通販が来たり美味しいご飯を食べられる。

これらは世界規模の競争に生き残る為に進化し続けて来た結果論だ。

そりゃ蹴落とし蹴落とされの時代もあったし今でも存在するが

目に見えた争いでは無い。いつだって目に見えないトコで火花が散っている。

漫画みたいにビームは飛んで無いからな?


だから、その過程で立ち止まる事は許されないと言う戦後の価値観が

著しく、まるで呪いの様に残ってるとも感じる。

まるで今でも何かの戦争をやってる様では無いか?

そう、お前の人生はずっと戦争だ。目に見えない忍耐

たまに付き纏う厭世観えんせいかん、それと戦ってるヤツが弱い筈が無いのだ。

本当に弱いヤツはそれらを暴力として外へ吐き出してしまう。

やらないだけでお前は人間で居られたのに・・・


単なる化け物になっちまう人間が昨今増えまくっているな。

そうなっては遅い。自分の中で思ってる価値のない自分のままで

上手くそいつと踊る方法を死ぬまでに模索するが良い。

天国に行こうが地獄に行こうがお前の死を司る死神は

生き様で変容する・・・



言っておくが、天使も悪魔も人間も握り拳と握手は出来ない。

お前の死は呆気なくあっと言う間に訪れるモノ。

ジタバタできる間は案外死なないし、死んではならない。

明日まで生きていれば、誰かに話していれば選択肢が変わるなんてのは

よくある話って答え。人類よ、勝手に決めた最低限の椅子に気を付けろ!

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