悪魔の童話「最期ノ晩餐」
とある人間界の一般人達が数名地獄に堕ちた。
彼らは様々な事情でこの世界が嫌だと言い張り
最期に好きなモノのジャンルを一つだけ選んで食し
旅立つと言ったなかなかに狂ったイベントである。
Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人。
ヒトにはそれぞれ事情がある。これは悪魔の手招き・・・
アメリカでもラストミールと言って死刑囚が好きなモノを食べて
刑に服すると言う風習があるがそういった実験なのだ。
それぞれ紙に記入し、誰にも見せない様に指示される。
そして執り行われる最期の晩餐。
各々が煉獄の炎を背景に食す。これ以上の美味は無い。
少なくともこれから人間扱いはされないのだ・・・
Aさんは子豚の丸焼きを食べた。すると現世に還り子豚に転生した。
彼は人間並みの知能を持つ豚として重宝がられ
生前に劣悪な環境で苛められて社会性を失い、自分を大事にしなかった彼は
こんな形ではあるものの初めて愛される事を知った。
Bさんはありったけのモヤシ炒め。お金のない時間にこのサクサクとした音が
堪らなく好きだったので、とにかく無限に湧き出てくるモヤシ炒めを食し
彼は現世にモヤシとして転生した。生態系の原典に戻ればいずれ人間に還るのだ。
そしてCさんが紙に書いたのは「Dさん。」
猟奇殺人鬼だった彼は即座に人間に生まれ変わり
最も恐ろしい人間が現世に解き放たれる事になる・・・
そのCさんは、案外すぐ近くに居るかもしれない・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます