悪魔探偵事務所改装:怒りの日に添えて

ドゴッ バコッ チュイ―ン ベコベコベコ・・・



別に列車事故では無い。事務所の大幅改装工事である。

全く人間どもと言うのは大手情報企業のアップデートを待ち続け

自分で物事の本質に達しようとしないのだな。

人はいつから金と言う糸を吐くだけの蚕になったのだ?

人はいつから不満を垂れ流すだけの機械になったのだ?


確かに世の中はアホったれな事だらけだ。しかしアホを蔑みながらも

いつのまにかアホになっちまっている矛盾に気付くが良い。

おっと。今日はデビっちまってるな。とガタイで分析する俺。


結ちゃんが持ってきた人間の世界の家電カタログを眺めたんだが

値段はそれほどでもない。しかしながら・・・

買ってからいつまで持つかと言うと、悪魔目線で言えば短すぎるのだ。

この世界での消費者と言うのは損である事を思い知る。

人間と言うのは企業から強要される流動的な消費に疑問を持たないのだな。

だから俺はグレまくってモーツァルトの怒りの日をBGMにしながら

リサイクルショップでコツコツかきあつめたジャンク品を組み上げるのだ。

ちなみに俺様は魔界深層技術業デビルアビスエンジニアとして

「無いものは作れ」の無茶ぶりに応じて毎回魔獣の角とか牙でケツの肉を削られても

どうにかやってきたんだぜ。お前も製造業にしてやろうかー!!?

「これ作ったら、何が出来るんです?」

おっと俺様がデビった所で結ちゃんったらナイス質問だぜ。

流石空気の読める人だ。

これが出来たら・・・本物の心霊映像をダウンロードして

動画配信サイトの贋作どもを駆逐してくれようか?


デビルジョークはさておいて

みんなは深層webと言うのを知ってるかな?

良からぬモノを売ってるマーケットがある階層。

とにかく普通のパソコンでは接続しちゃいけないレベルの

そんなアンダーグラウンドだ。実はその奥深くに

死層アガレスネットと言う階層が存在するんだが

そこはと言うと、何者かが作った仮想の魔界。

俺の様な悪魔が持っている悪魔時空展開デビジョンツリー

更に上を行く高度な階層構築ダンジョンビルド

その世界にアクセスする事は異界の門を開く事と同義。

ログインしたら、その世界に吸い寄せられて

少なくともある程度戦わないと生き残れない空間での生存戦が待ち構えている。

つまりは趣味の悪いオンラインデスゲームだぜ。

本当にヤバくなったら悪魔時空破壊デビジョンクラッシャー

強制ログアウトが出来ると言えば出来るんだけどね。


早くこの魔改造PCを作れたらよかったのだが

最近のPCは物理的に薄くて頑丈では無いと言うのが痛い部分である。

本体は無骨な程良いって答え。


「せーの!」


ハマりそうでハマらない部分は結ちゃんのパワーでどうにかしてもらう。

本当に人間かどうかで言うと黄泉還りしたり戦闘力高いからグレーであるが・・・

壊すと中身まで逝くから、俺様のパワーアップした爆炎による

溶接作業により骨組みは強化されてるぜ!

ドゴン!ガゴッ!・・・と金属音が鳴るが

軽くたたいた程度ではびくともしない。もはや小さい車よりも頑丈で

戦車みたいなパソコンの完成だぜ・・・画面とキーボードはついてるが

いかにも秘密基地に作った巨大コンピューターと言う出で立ちだ。

もう使わないと思ってたが魔界から来た時の荷物に入ってた

ウィンデビル666のOSをハードディスクにブチ込んで起動。

ここから俺達のダークファンタジーが少しだけ賑やかになって行く。


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