戦闘悪魔と監視者の面談
准一はあの任務の後で
神代涼と言う少年を監視者の居る所へ連れて行った。
病衣のままだと心細いだろうから
有り合わせの服を着せてやって
監視者のいる異界の門を開きお出かけする。
「あの・・・」
「うん?」
「僕は、殺されるんですか?」
少年は不安そうな顔をしていた。出自は知らないけれども
戦いが大好きな悪魔から見てどうにも悪いヤツには見えないのだ。
「そうならば君はとっくに俺が殺しているぞ。安心しろ!」
「それはそれで怖いですよ」
とにかく、いつもと性格の違う任務に違和感を感じていた。
ただ今までの任務が単純な戦闘のみだったというのもあるが
手間のかかり方が1枚も2枚も違う。
異界への門を開くと、無機質な病棟みたいな建物に・・・
すると件の監視者が靴音を立てて現れる。
「ご苦労様。これは貴重な人材の確保だ」
「どういう事なんすか?この子から
「見ての通り人間がそれを纏ったケースだ。兵器として使える存在だよ」
「・・・」
涼の表情は曇った。
「だが、人類の手に余るリスクがデカい。だから連れて来させた。」
更に監視者は続ける。
「人は恐怖の壁に突き当たると乗り越えるか狂気に蝕まれる。
あのまま人間の手で飼われていたら君は間違いなく後者だった」
准一が遮る様に質問する。
「つまり、こっちに引き入れる。って事で?」
「
この世界の均衡を崩す者に私がいちいち介入するのもまずいのでな・・・
そういう事になるよ」
人類は戦争を通じて技術を革新させていったが
今回の様に魔界の技術に、文字通り悪魔との取引をして
無駄な血が流れる。そういう事は避けなければならないが
既にバランスを崩す者がある程度暗躍している。
そういった状況の中で秩序側の悪魔の力が必要不可欠。
そして、こうしてる間にも人類サイドの正気ではないモノ達が暗躍している。
最悪の場合は天界側の何物かも介入してくるかもしれない。
人類の滅亡ほどではないにしても消せない傷跡が残ってしまう。
今は少しでも力が必要な状況であった。
「まぁ、今際野探偵事務所にも神代くんの存在は知らせておこう。」
後は・・・いつも一人で好きなモノ食べて暮らすぐらいしか楽しみがない。
そんな准一の日常の中に、日の光から遠ざかっていた少年が加わる事になる。
「とりあえず、腹減ったな!何食べる?」
「えーと・・・お肉食べたいです。」
「よぉし!一人で飯食ってたのがデビル寂しいと思ってた頃だ!
今日はすき焼きにするぞ!」
そこから師宮ヴォルテ准一。10万飛んで27歳の悪魔と
神代涼。17歳の初心な少年は一気に打ち解けて
奇妙ではあるが、少し賑やかな日常が始まる事となる。
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