悪魔の徒然草

悪魔のプロレス・ルシファーとの激闘

俺なんて前座で面白く試合するのがお似合いだがルシファーが相手なんで

おのずとメインカードだ。若手興行だし、俺が引き締めないとな。

「さぁ、悪魔の様なパワーで千切っては投げて来た中村ルシファー伸作！」

「続いては、今日はアフロじゃない覆面レスラー！チョコボーイ芥子河原！」

「両者、睨み合って・・・」

俺達はリアル眼光で火花を散らし合う。演出じゃないぜ！

「昔の俺とは違う。すぐにマットに突き刺してやるさ・・・」

「小骨までヘシ折ってやるぜ。」

ゴングが鳴る。手四つで組み合うとかなりの握力を感じる。

悪魔の肉体は強化されているが、それでも骨の軋む音が半端ねえ。

「チョコボーイ、エルボー！それにルシファーも返す！」

みなさん。人間界のリングで悪魔の肉弾戦をはじめ魔っス。

「なんだこの技は！チョコボーイの頑強な肉体が、蹴り一発で吹っ飛ぶ！」

マジの蹴り。硬いロープに振られて一気に振り戻される。

帰って来たところで容赦なくラリアットが飛んでくるが・・・

「おーっと！チョコボーイ！カウンターで飛びつき腕十字だ！人間の試合じゃない様なスピード感！迫力！」

こう見えて、俺達人間じゃないからね。

一気にギブアップ取りたかったけど、ルシファーの足がロープに届き、エスケープ。

俺はマットの上を這いまわる様にアキレス腱固めを仕掛ける為に飛びつくが・・・

ドゴォン！バゴォン！

「カウンターの膝蹴りから容赦ない踏み付け！チョコボーイ、悶絶！」

たまんなく痛い。かなり悶え狂わされて俺は起き上がれないままだ。

「ヴェっさん！来ますよ！」結ちゃんの声だ。

背後から掴まれてぶっこ抜かれる様にジャーマンスープレックスを受け頭を強打する俺。

そのままホールドされて、カウントが進む。ワン、ツー！から俺は逃げ出す。

そこからは泥沼の乱打戦。お互いの蹴りと肘が飛んで身体はボロボロになっていく。

「しかし一日の長はルシファー！蹴りで追い立てる！」

かなり胴体を蹴られまくった後

グロッキーになる俺だがチャンスを見極めて

一気に飛びつく様に三角絞めで締め上げる。

かなり首に食い込ませて体力を奪ったぜ！

すると馬鹿力で持ち上げられ、パワーボムを受ける。視界が完全に歪む。

そこからまた固められるがツーカウントでキックアウト。

しかし俺は諦めず不意を突いて変形レッグロックから丸め込む。

ここで溜め込んでた悪魔超剛筋のパワーを発動。

しかし、プロレス一筋にトレーニングしてたルシファーが

純度の高い魔界フィジカルでも稀有なデビルスキル。

悪魔凶暴筋（デビルタイラント）を発動させ

マットから跳ねて体勢を入れ替えると

俺は頭から突き刺さされ、景色が完全に真っ黒になった。

負けちまったぜ。

試合が終われば恨みっこ無し。だけど身体中痛いぜ。

「昔っからお前はそういう諦めねえヤツだったな・・・」

「やるじゃないの？」

「魔界で遊んでた頃と違って鍛えてるからな。」

お互いの健闘を称え合うけどさ。俺は神出鬼没のレスラーだから

デビルスキルを使ってその場から居なくなる。

翌朝のスポーツ記事には「謎の覆面レスラー、ルシファー相手に健闘」

のちょっと大き目の記事が載る事になったとさ。