悪魔の教訓

「俺がお前ぐらい若かったらよォ、もっとやりたい事いっぱいあったよ」

さっそくバイト先の住職さんにマウント取られたりしてたけどさ

別に俺だってやりたい事いっぱいあるし、デビルリア充にだってなりたかった。


だけど、宿命とか運命とかってのもあって運命に逆らうロックンロールをしないと

そうやって敵を作ってでも尖らないといけないってさ。それが教訓その1。

だけど敵を作りまくって生き残るって難しくねえのかな?悪魔は訝しんだ。


こっちの教訓で言えば、古代ローマの偉い人の・・・アウグストゥスが言ってた事。

「食べ物を選ぶ様に言葉を選べ」って言うけど本当だぜ。って答え。

地獄では盗み食いは即あの世行き(つまり現代行き)だから

早くこの言葉を知っておけば良かったな。教訓、教訓。そのセカンド。


それと夜中のカップラーメンは太るぞ。覚えておけ人間どもよ。

後は言葉を選ぶって大事だよね。みんな言いたい事の不満や一つや二つあるだろう。

でも想ってる事を思いついた時に言うと運命は狂いだす。

現代社会で言えばダイレクトメッセージの誤爆とかで本音ポロリして

人間関係が崩壊するとかさ。そんなのはロックンロールじゃない。

不協和音ディソナンスって言うんだ。これも教訓なんだけど

こういうのを忘れるのが人間の性なんだろうね。


だけど生きてる上でストーリーが欲しい。

そんな時に運命を感じるモノが本当かどうかなんて分からない。

世の中は嘘ばっかりと言うがもっとも厄介なのはその半分ぐらいが

不都合な真実だって事。イギリスのチャーチルとか言う偉い人が言ってたらしいけど

これもまた教訓。


それは大体本当に曖昧な線引きで区切られているからこそ

自分の人生に独自のファンタジーを見出したい人がいっぱいいると思う。

なんでも綺麗に物事は切り落とせない。むしろその歪な部分が個性であって

『みんな違ってて当たり前』。そんな簡単な事をこの世界の大人達は教えんのだな。

まったくけしからん。俺は働いてるお寺の事務室の静かな空間に

木魚のビートが聴こえてくると危うく魂が浄化されてしまいそうになるんで

気を張らないといけないぜ。俺に般若心経ニルヴァーナ・フェスは似合わないぜ。

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