Session6-3 ホルンの情報

GM:──女将に呼ばれた君たちは、密談室へと集められる。

8人ほどは座れる密談室の中には、クレナイとホルン、それから君たち5人……(と、ゴーレムとジャン君)

それにライズを含めて8人(と、ゴーレムとジャン君)。

アルクトス:ちょっと狭そう。

GM/ライズ:ライズは狭い場所は落ち着かないようで、しきりに身体を震わせている。

シュシュ:「(……そういえばこの格好のまま来ちゃった)」



GM/クレナイ:「……さて。とりあえず、依頼内容の説明でちね」

オルフ:「ああ」

GM/クレナイ:「簡単に言えば、グランゼール国内で行われているという"紫水晶"取引を止めること。それからその水晶を誰が、どこから持ち出しているのかを調査することでち」

シュシュ:「……やはり……紫水晶」

アルクトス:「ふむ……」

GM/クレナイ:「つたないでちが、依頼書というていでまとめておいたので、見ておいてくれるとありがたいでち」

走り書きのようになった、と言っても十分綺麗な交易共通語で書かれた書物を拡げる。



●依頼書●

【"紫水晶"の売人の確保】

依頼主:グランゼール王国、および雀のお宿亭

 最近、王国内で"紫水晶"の取引が行われているという噂が多くなってきている。

冒険者たちにも注意を促しているほか、売買された"紫水晶"の押収や出所の調査依頼も出してはいるが、"紫水晶"の出どころをいまだ掴めていないのが現状だ。

 "紫水晶"の取引を行っている者、あるいはその護衛が"暗黒の波動"を用いるという

件もあり、冒険者たちには売人・仲介人の確保および情報の聞き出し、および彼らの持つ"紫水晶"の確保をお願いしたい。

 ちょうど、信憑性の高い売人の情報をいくつか仕入れられたため、そのうちの1つを冒険者たちに担当してほしい。まず売人へコンタクトを取り、紫水晶の取引現場を抑えに

行ってくれ。

 基本報酬は1人あたり2000G。重要人物を確保できれば、追加で+1000Gは約束する。また、"紫水晶"を確保できれば、そのぶんの報酬もいままで通り支払う。

 荒事になるはずなので、前金として、500Gを冒険者たち1人ずつに配っておく。

ポーションや魔香水などの準備はしておくこと。



オルフ:「……取引の場で紫水晶が使用される可能性は十分にある、だからこの面子って事か?」

GM/クレナイ:「さすがオルフでちね。その通りでち」

シンカイ:「ほかの冒険者では抵抗できぬ。……わたくし達が走り回ることになる可能性も、充分にあると」

GM/ライズ:「えーと、つまり……悪いことしてるヤツを見つけて、つかまえる!」

シュシュ:依頼書を覗き込んで「あ、荒事に……」

イスデス:「ふむふむ……。こういう話なら、早速これが役に立ちそうかな」ラミアの首飾りを揺らす。

GM/クレナイ:「まあ、向こうは商談を邪魔されることになりまチュからね」イスデスを見ながらうなずく。

GM/クレナイ:「国内で水晶の取引が盛んになってきているのは、おまえ様たちも知っていると思いまチュ。もちろん、国も対抗策を打ってはいたのでちが……"暗黒の波動"を持つ敵、追ってもすぐに消えてしまう仲介人。どうにも満足のいく調査はできていなかったようでちね。」

シュシュ:「……より踏み込んだ調査ができるのが我々と」


GM/ホルン:「売人についての情報は、オレがつかんできたっす!」ふふん、と胸を張りながら小さなレプラカーンが言う。

アルクトス:「不法な品の秘密取引……悪くない響きだ」

シュシュ:陽ーラにあてられて目を逸らす。

シンカイ:小さな胸を張りながらレプラカーンが言う???

GM/ホルン:ふふん(ないむね)。

オルフ:「……ああ、レプラカーンか。それは適正かもな」

GM/ホルン:「そっす。オレの種族特徴……それに、この前皆さんが掴んでくれた情報もあったっすからね」

イスデス:「透明になれるのはそれだけで強いねぇ。情報収集にはうってつけだ」

GM/ライズ:「なーるほどねっ。こっそり見たり聞いたりできるってわけかー!」

シュシュ:「……透明になれる……いいな……」


GM/ホルン:「皆さんが解決してくれた、あの事件……ジェフリー君が『イアン』という金髪の男に、紫水晶を渡された、って話っすね。そのセンで追っていったら、ビンゴっす。今晩、取引が行われる場所を知ってるって情報屋が複数あったっす」

シュシュ:「……確かその方は…ホルン様のお師匠様と同名……でしたね」

GM/ホルン:「……そっすね」ホルンは呟く。「師匠と同じ名前……それが気になったこともあったっす。もともと、学生やりながら雀のお宿亭には協力してたっすけど。今回は……頑張ったっす」危険だったのか、顔をしかめる。

シュシュ:「(……姿隠せるとは言え、命がけだったのかな)」

GM/ホルン:「本当は、一緒に行きたいところなんすけど……"暗黒の波動"が出てくるなら、オレは足手まといになると思うっす」ホルンには、お宿亭の加護はないようだ。

GM/クレナイ:「チュチュン。とはいえ、その情報だけでも大したものでち」

オルフ:「そうだな。それがもとでこの依頼が出た。十分だ。後は俺達でやる」 

イスデス:「うむうむ。後は我々に任せておいてくれたまえよ」



GM/クレナイ:「……他にも何カ所かで、取引が行われるようでち。それらには他の、加護を受けた冒険者を使いまチュ」

クレナイは君たちに、複雑に入り組んだ、下町の路地裏が載った地図を渡す。

「今日の深夜0時……この場所に売人が現れるようでち」その路地のひとつに、マークをつけるよ。

シュシュ:「……確かに取引にはもってこいの場所に見えます」

GM/ホルン:「目印として、『赤色のスカーフを手首に巻いている』とのことっす。合言葉に『石を貰いに来た』と言えば、取引場所まで案内してくれるそうっす」

アルクトス:「赤色のスカーフか……」

GM/クレナイ:「念には念を、ということでちかね。そこも目立つことはない路地裏でちが、おそらく、その売人は誰かに雇われた乞食か何かでち。その場所から連れていかれるとすれば、貧民街か、闇市か……あるいは、ボドロフの地下街……」

オルフ:「なるほどな。……向かおうとする売人を締め上げ、スカーフを奪って変わるか?」

GM/クレナイ:「方法は、おまえ様たちに任せまチュ。成果があれば、報酬は追加しまチュよ」

シンカイ:「他はともかく、わたくしはそれだけでは……。マントで武装は隠したほうがよさそうかしら?」

GM/ライズ:「シンカイも、ホルンみたいに透明になれればよかったんだけどなー」

イスデス:「むむ、確かに金属鎧はどうするかな。隠密行動するにしてもクツワムシだと辛いね」


GM:君たちが引き受けるのであれば、前金で1人あたり500Gが支給される。

また、紫水晶の取引に必要な金銭…『1万G』とのことだが、それは貸与という形で、店から君たちに渡されるだろう。それらをどう使うかは自由だ、とのこと。


アルクトス:「面白い話になりそうだ、受けよう」

GM/クレナイ:「……ありがとうでち」ぺこり。

オルフ:「……そういや聞いていなかったが。雀のお宿亭の加護を持つ人間が紫水晶を使うとどうなるんだ?」 

GM/クレナイ:「それは……正直なところ、不明でち」クレナイはいぶかしげに言う。

アルクトス:対消滅を起こして死にます(適当)。

オルフ:「そもそもどうしたら使うことになるのかも不明だ。変に触れると不味いか?」

GM/クレナイ:「……というのも、でちね。"加護"のある冒険者が紫水晶を持っていて、その能力が発言した者は見たことがありまちぇん」

オルフ:「……ふむ」

GM/クレナイ:「そもそも"紫水晶を使用する"という事自体が、加護によってできないのではないか、と思われるでち。……確定ではありまちぇんが」

シンカイ:「不確定すぎます。 少なくとも現場で試すのはおよしましょう」


GM/クレナイ:「しかし、あくまでも"前例がない"というだけでち。……危険だと思ったら、すぐに水晶から離れるでちよ。水晶の力が"加護"のそれを上回れば、おそらくは……」クレナイは俯きながら言う。

イスデス:「扱いは丁重に。危険物を取扱うように。はぁい」

アルクトス:「そんな"紫水晶"があった場合、我々もただでは済まないだろうな」

シュシュ:「……今でもすべての力を無効化できている訳ではありませんからね……」


GM/クレナイ:「……人の欲望、というのは無限大でち。いつ、その欲望に押しつぶされるかはわかりまちぇん。しかし、無欲であるというのは必ずしも美徳ではありまちぇん。……おまえ様たちも、自分の"欲望"としっかり向き合いながら、進んで行ってほしいでち」

シュシュ:「……私の欲望」なんだろう、と首を傾げ。

シンカイ:「故人が民族紛争に言及して曰く、【理不尽には人として憤らねばならぬが、憎しみを広げてはならぬ、堪えねばならぬ】……何事にも中庸でなくてはね」

オルフ:「触れただけで対消滅を起こして死なないか確かめたかっただけだ」

GM/クレナイ:「まあ、そう物理的に消えるとかは無いと思いまチュから、安心するでち」

オルフ:「別に使う気もない。力がいらない訳じゃないが、それで目的が潰えるなら本末転倒だろう」使ったら正道で評価される道がなくなってしまう!!

アルクトス:欲しかない。

イスデス:よくだらけ。

シュシュ:気付いてないだけ。

シンカイ:無欲な清純ヒロインです。

GM:うそつけ。

オルフ:欲はあるけど自分1人で成し遂げられるものじゃないため……。


GM/ホルン:「……冒険者さんたち、よろしく頼むっす」

シュシュ:「(……うん、命がけで取ってきていただいた情報を無碍にできない…(…でも、どうなんだろう。それだけじゃない気も……)」胸に手を当てて思案する

オルフ:「ああ。お前がお前の仕事をやった。報酬貰って俺達の結果を待ってろ」

シンカイ:「勿論ですわ。お任せを」

GM/ライズ:「帰ってきたらガッコーのお話も聞かせてねっ!」

アルクトス:「取材のついでだ」

イスデス:「頼まれちゃあしょうがないね」ふんす、と反り返る

シュシュ:「(よくわからないけど今は……)はい、出来る限り力を尽くさせて頂きます」



GM:君たちは、1人あたり500G……相場よりも大分多い前金を受け取り、さらに取引に必要な1万Gの入った革袋も用意される。取引が行われる0時までは、まだ時間があるため、体を休めたり、ポーション類などを購入することができる。

イスデス:「重たい……これが1万Gのカガヤキ……!」

シュシュ:これは草以外にも即時回復あったほうがよさげかな。

アルクトス:炊いてる時間が無いパターンかも。

オルフ:魔香水の1本か2本買っとく?

シンカイ:あるいはそもそも石にするか……。

シュシュ:現状の回復量なら石でよさげ。

アルクトス:前金で1人1個5点魔晶石ですかね。

シュシュ:となるとー……アルクに2、イスデスに3くらい渡しておきますか。

一同:OKー。


GM/クレナイ:取引について、クレナイは言う。

「落ちぶれた冒険者、盗賊なんかが公に出来ない手段で金を工面し、水晶の取引に来る……というのが定番でちょうね。言っては悪いのでちが……オルフやシンカイなんかのナイトメアは、おそらく顧客になりやすいと思われまチュ。警戒心はそこまで持たれないでちょう」

オルフ:「……、……チッ、分かった」自分の角に感謝したくないけど使えるもんは使うかぁ、という葛藤。

シュシュ:……見すぼらしいボロ布着ていくか。無課金装備。

アルクトス:変装はスカウトのオルフシンカイにしてもらう形かな。

シュシュ:イスデスは首飾りでええやろ。

シンカイ:変装判定ですわ。(ころころ)……6ゾロ。

シュシュ:???

シンカイ:シュシュです。

GM:こいつ……誰だ!?

アルクトス:シュシュカイ。

イスデス:首飾り、早速登場して役立つところが来てしまった。



冒険者たちは魔晶石を購入し、睡眠を取ることに。

午前0時、日付が回る頃に、準備を整えた冒険者たちは地図を頼りに取引場所へ向かいます。

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