金髪碧眼ヒロインの作り方

かずきー

第1話 黒歴史から振り返る。何故白人女性が好きなのか

 本題に入る前に数章をかけて私の白人女性観を述べさせて頂きます。

 この基本となる価値観の上に具体的な創作論が続くからです。

 

 では早速――

 あらすじに書きました通り、私は白人女性が大好きです。


 外見的な魅力もさることながら、自我が強く自立していて自分の意見をしっかりと持っている人が日本人女性に比べて多い印象を私は持っています。

 こちらの問いかけに対して歯ごたえのある回答を返してくる白人女性との会話はとても楽しくて時間を忘れてしまいます。

 回答の一つ一つに個々の意志が明確に見て取れるので、純粋に外見のみならず相手の内面にも心から興味を持てるのです。


 私は現在執筆中の小説のネタ収集のために外国人を見かけたら人種性別を問わずに話しかけて異文化コミュニケーションの経験談や失敗談を聞いて回っています。


 在日の白人女性は質問の際に、こちらがしっかりとパーソナルスペースに配慮して、「こんにちは、すみません。少し良いですか」と自然な笑顔であいさつをしてから話しかければ大概にっこりと応じてくれます。

 もう白人女性最高すぎます!


 では何故私がこうも白人女性に心酔するようになったのか、私自身の黒歴史と共に振り返ります。


 それは私が大学生のころでした。初めてできた日本人の彼女にバイトで培った腕を振るってイタリアンのフルコースを誕生日プレゼントとして振舞った時の出来事です。


 その時の私たちはこんな会話をしていたと思います。

女「美味しいけど……これだけ?」

俺「ん? この前原宿で服も買ったじゃん」

女「そうじゃなくて、〇美はみなとみらいでフレンチご馳走してもらってた」

俺「原価じゃ負けないくらい素材選んだんだけど。そりゃ俺は三ツ星のシェフじゃないけどさ」

女「だから美味しいって。でもそうじゃなくて、〇子は温泉に連れて行ってもらったって」

俺「……」

女「〇枝は表参道で……」

 ここで短気な私は、

「じゃあ、帰れや!」

と怒って彼女を寮から追い出し、初めてのイチャイチャラブラブバースデーディナーおうちデート計画は水の泡となりました。


 確か翌週だったと思います。

 学部内の女子間で噂を広められ、私は男女入り混じったキラキラキャンパスライフを送っているグループには居場所がなくなってしまい、大学一年生の二期の時点で早くも大学生活に暗雲が立ち込めることになりました。


 もともと私はサブカル系の中二病を拗らせていた過去があって、他人の趣向や興味を卑下する発言を空気を読まずに言ってしまい、結果として嫌われる残念な青春を送っておりました。


 その中二病の後遺症と捻じれたプライドの高さから一つの結論に辿り着きます。


「もういいや、日本人ジャップと付き合うの止めた」


 そう考えた私ですが、実力を伴わないのにプライドだけが高いヘタレ野郎ですから、一人で生きていくわけにも行きません。


 そこで考えつくのです。


「外国人と仲良くすれば良いんだ! 外国人は個性重視だからきっと俺も認めてくれる! 白人は外見的にも美しいから一石二鳥じゃないか!」と。


 私は2chの創設者ひろゆき氏が最も警鐘を鳴らす行動力があるバカタイプなので、早速外国人と仲良くなるための学習を始めます。


 その学習対象として選んだのがイタリア語とドイツ語です。何故英語ではないのか、その理由は二つです。


1・当時流行っていたクラブミュージックの原産国であり、文化的な興味があった。

2・イタリアではイタリア語を話した方が好感度が高いだろうし、そもそも学習者が英語より少ないからプレミア感がでるだろうと考えた。


 ろくに考えずにとった行動でしたが、結果として功を奏しました。

 とある手段を用いて多くのメル友を作り、毎日必死で学習しながら交流し、1年後には初めての海外一人旅でイタリアのメル友の自宅に泊めてもらうことができたのです。


 メル友の家族とディナーをした時にメル友とその家族から一つのお叱りを受けたことが私のゆがんだ価値観を揺さぶりました。


「私は自我が弱く自立心に欠けた人ばかりの日本文化と日本人が嫌いだ。だから個人を尊重する欧州について学び。欧州の人と仲良くしたいと思った」

 こう語った時のことです。


 メル友の御父上が言いました。

「君は未熟だな。君が日本人が嫌いだと思うのは君が日本人の特徴を認識しているからだ。認識できるという事はすなわち君が日本の文化の元に育った日本人だという事だ。我々欧州人は祖国に誇りを持っている人が多い。私はサルデーニャ人という自覚があるからこそ、自分と異なる文化の人と価値観を対比して会話ができる。君が日本を否定してしまうと自分の中に異文化と対比するための文化が無くなる。そんな状態で異文化の人と会話をしてものまれているだけだ。我々には自立して見えない。まあ我々は誇りが強すぎてしょっちゅう戦争してきてしまったんだけどね。ははっ」


 衝撃でした。日本の社会で受けた劣等感、内実を伴わないプライドの高さ、すべてを見透かされた気がしました。

 何よりも、説教しつつも相手を受け入れる大らかさを感じさせて、さらには欧州人らしい皮肉の効いたジョークで結ぶ御父上の器量と感性に感服して涙を滲ませて謝ったのを覚えています。


 この経験から私が日本に感じていたわだかまりが徐々に薄れ始めます、そしてそれに伴って欧米人への憧れはさらに強固なものになっていくのです。


 今日はここまで。白人女性大好き!



※私のもう一つの作品「俺は英語が嫌いだ」では本作で紹介している話法を用いるのはもちろんのこと、読者様自身が効率的に外国語を異文化理解と共に身に付けられる方法を青春ストーリー仕立てで綴っております。合わせてご覧頂ければ幸いでございます。


追記:本創作論にご評価を頂いても著者の感情はさして動きません。読み返しを期待してご覧になっている方はメイン作の俺は英語が嫌いだをご覧下さいませ。

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