野球拳式クイズ対決 ~解かせ、その心!JKメイドな鉄面皮・桐ヶ崎霞篇~

貴音真

第1話「3回戦開始前の確認」

【5月11日】


 ここは、私立剣ヶ峰けんがみね学園高等部にあるクイズ部の部室である。

 暗幕で外部からの視線を遮断し、入口を施錠された部室で、三人の男女が机を囲むようにして対峙していた。


 今、まさに!二人の男女の知識と矜持とを賭けたクイズ対決が幕を開けようとしていた!


 ズガーン!!!※落雷の音のSE※




 野球拳…

 それは男のロマン…

 ジャンケンで勝てば女の子を脱がすことが出来るという究極の娯楽…

 究極の娯楽である野球拳、知識と教養が培われるクイズ、スポーツとして根強い人気のある野球…

 それら三つのコンテンツが交わる刻、そこに禁断のバベルの塔が具現する!


 野球拳式クイズ対決・第3回戦!

 ここに開幕!!!




 読者諸君!久しぶりだな!遂にお待ち兼ねの3回戦だ!

 え?待ってない?

 そんなツレないことを言うな…俺は寂しいぞ!

 ん?地の文ナレーションの一人称って俺だっけ?

 わからん!一人称忘れるほどです!久方ぶりの続編です!※第2回戦の用語解説に一人称に関する言及がされていたので確認したところ、地の文担当の一人称は俺だった。

 それはさておき、1回戦と2回戦のPV数がゆるーく増えていっているのを俺は知っている。

 その増え具合から俺は確かに感じた。


 


 と!!

 勘違い?気のせい?

 ふっ、待っていようがいまいが描きたいと思ったからから書くのだから気のせいでも構わないだろう。

 では、以下は本編だ!


「はぁーーー……霧子きりこ様、本当にワタクシが太陽こんなのと対決しなければならないのですか?」


(いや、こんなのって酷くない?)


 深い溜め息を吐きながら本作の主人公である新入にいり太陽たいようのことをこんなのと呼び、露骨に嫌そうな顔をしているのは桐ヶ崎きりがさきかすみだ。

 桐ヶ崎霞…彼女は剣ヶ峰けんがみね霧子きりこの専属使用人メイドであり、霧子のでもある。

 霞は太陽よりも高身長であり、出るところ(胸と尻だ!)はしっかりと出ている。そのスタイルの良さと美形な顔も相まって、女子学生からは羨望の意を込めて王子様プリンスと呼ばれている。

 だが!霞は単なる王子様プリンスではないぞ!霞は王子様プリンスでありながら男からの人気も非常に高いのだ!ただし、声をかける男はいないが…

 上瞼のラインで真っ直ぐに切り揃えた前髪、揉み上げ部分だけがやや長めで耳を出した特徴的な黒髪ショートヘア、そして、クールというよりドライな対応、霞はそれらが絶妙に混ざりあった氷の美女クール・ビューティの化身なのである!

 え?氷はアイス?知らん!

 ただし、霞は男女ともに慕われつつも、一部の生徒からは畏怖され、霞のいない所では影の使用人シャドウ・ストーカー影の守護神シャドウ・ガーディアンと呼ばれいる。

 どちらも霧子を影から支えていることに由来した異名だ。

 ちなみに、霞は剣ヶ峰学園の3年なのだが、女子学生用の制服を着用せずに特注の黒いタキシードを制服として着用している。

 王子様プリンスに相応しい格好である。


「ふふ、当然でしょう?夏の男女混合大会に向けて太陽たいようにはまだまだ経験が必要なのよ。それに、自前の出題ノートを持ってきている辺り、あなたもやる気十分なのではないのかしら?」


 霧子は愉しそうに笑いながら霞の本日の着用物の一覧表を見た。


 霞の本日の着用物は以下の通りである。


 ①ジャケット(黒色ブラック

 ②ウイングカラーシャツ(白色ホワイト

 ③ベスト(暗灰色ダークグレー

 ④トラウザーズ(黒色ブラック

 ⑤クロスタイ(嚥慈色ダークレッド

 ⑥ハイソックス(黒色ブラック

 ⑦タンクトップ(白色ホワイト

 ⑧チューブトップブラ(水色ライトブルー

 ⑨ショーツ(水色ライトブルー

 ⑩フィンガーレスグローブ(暗銀色ダークシルバー)※格闘技用のオープンフィンガーグローブではない。


 以上の10点が霞の今日の着用物である。

 なお、霞はこの衣服と全く同じ物(下着は除く)を何着も持っており、寝る時間以外は基本的に年中この格好をしている。なお、寝る時は全裸だったら良いなと思うが、残念ながらパジャマ派である。愛用のパジャマは猫のゆったりとした短パン半袖タイプで色は紺地に白の装飾だ。余談だが、その他に猫のワンポイントマークがあるパジャマも所持している。

 霞は登校時には年中タキシードだが、真夏になるとベストを着用しない事はある。しかし、ジャケットは気温四十度を超えても脱ぐことはない。

 では、今回も念のために太陽の着用物も羅列しておこうと思う。


 ①ブレザー

 ②スラックス

 ③ワイシャツ

 ④インナーシャツ

 ⑤ネクタイ

 ⑥靴下(二足で480円)

 ⑦靴

 ⑧トランクス(三枚980円)

 ⑨ベルト

 ⑩財布(長財布派)※数合わせ。


 以上の10点が今日の太陽の着用物である。

 なお、もし今回の太陽が圧倒的敗者ノーヒットノーランになったとすると財布を一週間奪われてしまうことになるが、その場合は財布の中身は持ち帰ることが出来る。


「これはやる気が故に持ってきたわけではありません。霧子きりこ様もご存知の通り、やるとなったらとことんやる。骨の一本どころか尻の毛の一本すら残さずに叩き潰すのがワタクシのやり方です。試合をするのは不本意ではありますが、この不埒者に教育を施す良い機会と思って徹底的に蹂躙致します。…わかったな太陽ふらちもの。今日は必ず最悪の結末ルーザー・ルーズにしてやるから覚悟しろ」


 そう言いながら霞は太陽を睨み付けた。

 霞は「どんな時も手を抜かず死力を尽くすこと」を信条としているため、どれ程に力量の差があっても手を抜かない性格である。


こええ!!かすみさんとは全然話したことなかったけどなんなのこの威圧感!?霧子きりこさんより怖いよ!影の守護神シャドウ・ガーディアンどころか暗黒の狩人ダークネス・ハンターだよ!眼が怖すぎる!この眼は試合直前の絶対王者ヴァンダレイ・シウバの眼だよ!一歩間違えたら人殺しになる眼だよ!つかその美形で尻の毛とか言わないで欲しいよな…なんか尻がムズムズしてきた……)


 太陽を睨む霞の眼はまるで獲物を逃さず仕留めんとする狩人ハンターの眼であった。


「ふふふ。怯えているわね、太陽たいよう。けれど、気圧されていたら大変なことになるわよ。本人が今言った通り、かすみは誰にでも容赦しないのよ。あかねちゃんなんて今まで二度かすみと対戦して二度とも圧倒的敗者ノーヒットノーランにされて、一度目は猫の着ぐるみ、二度目は猫耳カチューシャのメイド服でそれぞれ一週間過ごしているわ。もしかしたら本当に最悪の結末ルーザー・ルーズにされることもあり得るわ」


「マジっすか!?つかなんで猫!?」


「ふふ、聞きたいかしら?それは…」


霧子きりこ様、その話は時間の無駄ですので早く試合を始めませんか?」


 霞は霧子の話を遮り、試合開始を急かした。その時の霞の顔はほんのり赤く染まっていたが、童貞の太陽がそれに気がつく筈もなかった。

 なぜ赤く染まっていたか?

 それは…

 照れていたからである!

 実を言うと霞は無類の猫好きなのだ!

 そしてさらに言うと茜は(男に対しては隠しているが)小柄なため猫の様に可愛い!

 猫好き×猫の様に可愛い女の子=猫!

 と言うわけである。


「あらそう?まあいいわ。始めましょう。ルールは通常、先攻と後攻はコイントスで決めようかと思ったのだけれど、かすみ自由すきに選ばせて良いと言っていたわ。それで太陽たいよう、あなたはどうするのかしら?」


「……もちろん先攻で!!」


 太陽は強く答えた。

 これにより、先攻・新入太陽、後攻・桐ヶ崎霞が決定した。


 野球拳式クイズ対決・第3回戦。

 新入にいり太陽たいよう桐ヶ崎きりがさきかすみ、いよいよ試合開始準備オッケイ!


 ズガーン!!!!※落雷のSE※


 次回へ続く………

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る