月夜のポエム

月の輝く夜に

おやすみを言う相手もいなくて

ネット小説を開けば

一編の詩が

新作欄に

投稿されていた


どうやら誰もまだ

星を入れていないようだ

星を入れて

お返しを期待するわけでもないが

とりあえず俺が読めば

ひとつでもPVがつくというものだ


こんなちっぽけな俺でも

無価値な自分でも

誰かのためになりゃしないかと

そんな卑屈な自己満足に

誰かの慰めになりゃしないかと

そんな傲慢な自己弁護に

作品をクリックする


月が輝く夜に

おやすみを言う相手もいなくて

いつものサイトを覗けば

また一編の新作が

投稿されていた


星を入れて

お返しを期待するわけではないが

月にかわって読んでもらうわけにいかず

星にかわって評価してもらうわけもいかず

作品をクリックする


月の輝く夜に

出会った一編の詩は

どうして胸に沁み、

心を惹きつけるのか


月の輝く夜に

出会った一編の詩に

どうしてその作品に、

星を捧げずにいられようか?

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