クロウアイズ①


アルファルドが来たのは、店が並び人気の多い道を曲がり、入り組んだ地形の奥にある1軒の時計屋だった。1本道を曲がれば人気のない場所なため周りには人っ子1人いなかった。


アルファルドは時計屋へと入っていった。


時計屋の中も外と同じように誰もいなく、ガランとしていた。カチッカチッという時計の針の音が鳴り響いているだけだった。


アルファルドはその店にある時計には一切目もくれず、店の奥の部屋へとスタスタと歩いて行った。




部屋に入ると、アルファルドは自分の服を脱ぎ捨て、そこに置いてある服に着替えた。


黒のシャツに黒のパンツ。そして、黒の上着。アルファルドは全身を黒で包んだ。


着替えが終わり、またその奥の部屋に行くと、そこにはもう人がいた。そこにいる彼も黒の上下にそれにプラスして黒のロングコートを着ていた。彼はアルファルドに気がつくと声をかけてきた。


「よぉ来たか。お坊ちゃん。」


『うるっせぇぞ。』



入って早々アルファルドのことを坊ちゃん呼ばわりしたため、アルファルドはその男を睨む。


彼の名はカイトスと言う。高身長でアルファルドとは違いガタイがいい。そのため、ロングコートがとても似合っていた。



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