第17話 同志
「で、どうするんだ。」ウィルさんは真顔だ。
「ウィルさん、文房具の本からエナが流れてきてるって話でしたね。」
「そうだ、他の2冊からは微量だが、文房具の本からははっきりとマナが定期的に流入が確認されている。」
「ということは、文房具の本には一定のファンが出来たということです。」
「ズーコみたいな、暗くて変な日記つけてるヤツラがまだ他にいるのか?」新しいおもちゃを与えられたような顔のカラカラちゃん。こういう時のカラカラちゃんは面倒くさい。
「このような同じ趣味を持った人達をオタクというのですが、このオタクという人種に協力を頼むんです。」
「オタクというのは人類ではないのか?人族とは違うのに、人族の中に隠れて生きているのか?そんな危ない連中に協力は簡単に頼めるのか。」ウィルさんが質問を畳み掛ける。
「オタクって危険分子ではありません。むしろ平和的な人達です。」
「ズーコは気持ち悪いだけで無害だもんな。」
「うるさいなカラカラちゃん。オタクさん達は無害ですが、協力にはコツがあります。」
「なんだ、そのコツは?」ウィルさんは興味津々だ。
「エサですよ。」
「エサか、金か?女か?」
「そんなものでオタクは動きません。オタクのエサはオタクが好きなものです。すなわち文房具と文房具BL本です。」
「そんなものでいいのか?」
「はい、本で出てくる文房具を実際に見てみたいでしょうし、触れてみたいでしょう。また言うのは恥ずかしいですが…」
「はよ言えやこの腐れ☆ッチが!」ウィルさん容赦がない。
「手にした文房具で、その、あの、本来の使い方とは違う使い方を〜」
「ズーコの本に書いてあるあの気持ち悪い動きをやってみたいんだ〜、やっぱ気持ち悪いな!!」カラカラちゃんも容赦がない。
「そういうことです。だから実際に文房具が必要なんです。文房具を作り人間界で売ります。店で文房具を見て興奮していて、なおかつ私の本を持った人間ならば、新しい本を与えれば協力者になるのではないかと思います。」
「ズーコみたいなヤツラの顔が、早く見たいな。」
「そのためにも文房具を作る必要があります。」
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ぶりーき
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