第2話 奥から攻められました

こっちの世界に来て、さまよって死にそうな時に同じ種族のよしみってことで拾ってくれたのがカラカラちゃん。


以来ずっと一緒、というか、もてあそばれている。




私の部屋は、スラムにあるギルドの地下の倉庫の片隅。


弱っちくて、売り上げ悪いから、住むとこあるだけで精一杯。


しかも、私暗いから、誰からも襲われないので、なぜか安全に過ごしています。


生前?暗い部屋で生活していたので、あまり生活に変わりがないというか既視感。


私、意外に順応していますお母さん。




私は低級魔族なので、所謂外回りをして営業してきて、それを上納しないと生きる価値がないシステムなのです。これは元の世界も同じだったか・・・


で、外回りはいろいろありまして、ゴブリンさんは人間や家畜さらってきたり、ミミックさんは人間をダンジョンで驚かせたり襲ったり、高貴な種族の方々なのにうん★を収集したりと種族によって仕事の割り当てが違うの。で、私は?私は、人間の夢の中にいるときに、魅了したり、エッチな気分にして精力を死ぬまで搾りとるというのが役目なのです。エッヘン。




生前喪女だった私が、人間魅了したり、精力搾りとったりするサキュバスっぷりができるかって?


はぁ? できるわけないじゃん!!


そもそも、興奮するのはオスとオスとの激しい攻め合い。こっちの世界に来る前は、それをさらにこじらせて文房具BLに憑りつかれていたんだから。



もう人間じゃなくて文房具で興奮している時点で人間の攻め方なんてわかるわけね~だろがい!


シャーペンと芯の「ちょっと入れる孔が違うんだから~」とか


分度器を巡って30度の三角定規と45度の三角定規の文字通り三角関係バトルロワイアルとか


砂消しでえぐられるノートさんの興奮具合とか


そんなんばかり読んでいた私に人間を魅了するなんて


どうやればいいのか、誰か教えてつか~さい!




というわけで、寝ている人間に鼻息荒く近寄る私、


ただならぬ殺気?に起きる人間。


見つかる私。


で、討伐されかける私、そもそも私人間に触れてもいなければ、何の害も与えてないのに


労基署に訴えますよ私。


で見かねたカラカラちゃんに引きずられ命からがら逃走。


で帰ったらみっちり怒られるか懲罰房にぶちこまれるの繰り返しです、はい。


お母さん、こっちの世界でも、私あんまり仕事できてないです。つか、リストラ候補?




で私がどうにかできるのは、簡単に精力を取れそうな、つまり反抗する気力もないおじいちゃんの枕元に立って、若かりし頃おばあちゃん以外の女とブイブイ言わせていた夢を見させるという回りくどい方法でどうにか精力をもらっています。


でもおじいちゃんだからちょっとしか搾れないというか、搾り切ったらおじいちゃん死んじゃうし、


こっちの人間の世界では高齢者がほとんどいないから、おじいちゃん超貴重。死なせちゃダメ絶対!


そのうす~い精力を拾い集めてどうにか、みんなの5分の1くらいの営業成績にたどり着けるようになりました。この10年で。




カラカラちゃんは本当に凄い。男からでも女からでも、見境なく?ビシバシ精力を搾り取ってきます。


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いつも御読みいただきありがとうございます。


作品・続きにご興味をお持ちいただけましたら星やお気に入りをいただきますとうれしいです。


また、私が泣かない程度のコメントをいただけますと励みになります。コメント頂けましたら幸いです。


ぶりーき

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