狼さんを見つけ出せ

稲見 琥珀

第1話

「うぅ」


ここ、どこだろうか

なんだか後頭部が痛い、多分、殴られたんだろう


それに、さっき目が覚めたから、しばらく眠ってたと思うが、

今何時頃だろうか


もう状況もよく分からないし、家に帰りたい、今、すごく不安で、

高校生にもなってって思うけど、母さんに会いたい


とりあえず、この部屋から出てみるか、

行動に移さない限り状況は変わらないからと周りを見渡すと

部屋にあった机の上にカードが置いてあった


「羊、、?」


カードには羊が描かれていた


「そろそろ、外に出て見るか」


ドアノブに手を掛けると、

思ってたよりも簡単に開いた









「最後の扉が開いたね」


「そうだな、これで全員か」


部屋の外には、さらに大きな部屋があって、

私含め6人の男女が居た



「早速なんだけど、自己紹介しない?」


さっき、『最後の扉が開いたね』と言っていた女性

優しそうだ


「あのねえ、誰が好き好んで知りもしない人間に個人情報渡さなきゃいけないのよ」


冷たそうな女性、

ちょっと言葉がキツイ


「まあ、いいんじゃね?全く知らない人間と同じ場所にいる方が不安じゃねえの?」


気だるげな男性、やる気なさそうだが、

話術にたけていそうな感じがする


「ボクはおにーさんに賛成だなぁ、一理あると思うよぉ」


同い年ぐらいの男の子、なんだか口調がふわふわしていて、

ちょっと怖いな


「反対2の賛成3か、決まりだな」


さっき、『そうだな、これで全員か』と言っていた男性

冷たそう、というか、クールな感じだ

というか、反対2って、自分も入れてるな


というか、私意見言っていない

どちらでもいいが、黙ってた私が悪い


「簡単な自己紹介、名前と職業くらいでいいんじゃないかな? じゃあ、私からね、

 わたしは一条いちじょう かえで、大学生だよ」


さっき、優しそうと思った楓さん、ちょっと強引な人でもあったみたいだ


「あー、じゃあオレもいいか?

 オレは夏目なつめ じん、こんなんでも警察官だ」


少し気だるげな仁さん、失礼だけど、警察官にはとても見えないな


「えー、見えないねぇ、じゃあ、ボクも

 ボクは風早かざはや はる、高校2年生だよぉ」


相変わらずふわふわしてる晴、やっぱり同い年らしい


「ほら、君も」


楓さんにせかされ、そろそろ私も自己紹介することにした


「私は一ノいちのせ 涼香すずか、同じく高校2年生です」


「ボク達同い年かぁ、仲良くしようねぇ」


「うん、よろしくな晴、仲良くしよう」


「わぁ、思ってたより口調が男の子みたいだねぇ」


「気にしてるんだ、ほっといてくれ」


結構本気で気にしてるんだ、傷口をえぐらないでくれ


「えっと、後の2人はどうする?」


楓さんは残った2人に声をかけた

後の2人は、冷たそうな女性と、クールな男性だったか


「ワタシはするなんて言ってないのよ」


「いや、俺は、、」


2人とも少し渋ってるようだ


「なら、わたしがご紹介いたしますね」

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