（注）2014年の記事です

　その曲に出会うまでは、私は普通の少年だった。

　初めて買ったCDは「ラブ・ストーリーは突然に」　知っている曲はベスト

10に入るものばかりで、それで何の不満もなかった。出会いは、偶然だった。たまたまつけていたFMから、流れてきたその曲。

　ICEの、「SLOW LOVE」

　重たくて、それでいてさっぱりとしていた。子供の私には少しアダルトすぎる一曲だったのだが、とにかく「かっこいい」ことで虜になった。初めて買ったランク外の曲。そして、マキシシングル。SLOW LOVEで、私の音楽体験はすっかり変わっていく。積極的に新しい曲を探すようになったのだ。

　そして、ICEには一切飽きが来ないまま大人になった。メンバーの一人、宮内氏が亡くなってしまい、新しい楽曲が聴けないであろうことは非常に残念だ。しかし、ICEの生み出してきた音楽はまったく色褪せない。それらは、時代とは関係のないところで完成されていたものなのだろうか。

　今でも堂々とお勧めできる。ICEを、ぜひ聴いてみてください。

初出　note（2014）　https://note.com/rakuha/n/nf7f3b10f26c4

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