第28話 そしてまた一人になった

 清光さん達は三河に帰還した。



 とにかくこれで、更に1年の猶予が出来た。

 それまでに出来るだけレベルを上げて、付与魔法もカンストさせる。

 虎徹さん相手とはいえ、圧倒的な完封負けじゃ話にならない。


 潜り抜けた修羅場の数が違うのだろうけど、やることは今までと変わらない。

 今必要なのは地道な努力の積み重ねだけだ。



 決意を新たに気合を入れ直し、ダンジョンの攻略を再開した。






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 9階のゴブリンまで倒し、魔石も結構貯まったので、ガチャを回すことにした。



「ガチャも結構久々だな。そろそろ何か良い物を引きたい」



 相変わらず、赤い流星セットより優れた服は手に入らない。

 というか女物の服ばっか出やがる。

 不思議と靴までも女物ばっか出るんだよなあ・・・。

 まあ俺の場合はどんな良い靴が出ようと、赤い流星のセット効果を崩せないから履き替える事も出来ないのだけどさ。


 とりあえずデラックスガチャを3回連続で回そう。



 1回目、赤 バニーガールの衣装


 2回目 銀 女性用高級下着セット


 3回目 赤 チアガールの衣装



 マジで女物の服しか出ねえ・・・。

 高級下着セットが出た時は、ついミスフィートさんが着ている姿を想像してしまって鼻血が出た。

 いつかこれをプレゼントして、着てもらうつもりだ!

 防御力もさることながらセット効果も付いてるので、言い包める事は容易かろう。クックック。


 まあそれはともかく、そろそろ俺にメリットがある物を引きたい。

 精神を極限まで集中し、全身全霊でレバーを回した。



 ガチャコン!キュピピピン!



「おおお!金だ!これは期待出来るぞ!」


 カードに書かれている文字は【鎧】


「どわああっ!」


 いきなりの重量で、また下に落としてしまった。



[オリハルコンのフルプレートアーマー]

 :総オリハルコン製のフルプレートアーマー。評価S

 :体力10%アップ

 :斬撃耐性+ 衝撃耐性+ 魔法耐性+

 :自動修復(大)精神耐性+

 :ミスリル製の鎧より硬く耐久性に優れる。



「オリハルコンきたーーーーーーーーー!」


 クッソつええな!俺がマッチョだったらこのまま装備したいほどの性能だ。

 普通の人ならこの鎧を装備して戦うのだろう。・・・だが俺は違う!

 製作者には非常に申し訳ないが、刀に作り替えさせてもらうぞ。


 付与魔法がまだレベル9だが、鍛冶のレベルはMAXだ。

 オリハルコンの刀を先に作ってしまっても、付与は後から何度でも更新出来る。

 まあ、新しい付与が閃かないとも限らないので、付与するスペースは少し空けておきたい所だがな。



 その後デラックスを2回やって、最後にノーマルで雑貨品を集めてガチャは終了。

 デラックスから出た物は、米と釣り竿だった。

 今日はかなりいい結果だったので、気分良くオリハルコンの刀を作ることにした。






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 それから1ヶ月くらい、ほとんど鍛冶と付与に集中し、待望の刀が完成した。



[毘沙門天]

 :コガラスマル作の刀。様々な付与魔法が込められている。評価S

 :総オリハルコン製。

 :斬撃強化(強)斬撃速度強化(強)刺突強化(強)刺突速度強化(強)

 :自動修復(中)衝撃耐性+++ 汚れ耐性+++



 これは間違いなく強いぞ!


 (大)の次は(強)の表記なんだよ。付与魔法のレベルは9なのに、もうほぼ最強クラスと言っても過言ではないだろう。

 付与魔法のレベルが10になった時に表記がどう変わるのか楽しみだ。

 ただ自動修復は(大)までで限界なのかもしれないな。

 付与出来るスペースはまだ残っているんだけど、何か良いモノを閃くかもしれんので空けておいた。


 そして脇差しはこれだ。



[5代目にっこり今江]

 :コガラスマル作の脇差し。様々な付与魔法が込められている。評価S

 :総オリハルコン製。

 :斬撃強化(強)斬撃速度強化(強)刺突強化(強)刺突速度強化(強)

 :自動修復(中)衝撃耐性+++ 汚れ耐性+++



 まあ刀と内容は一緒なので、名前が違う程度なんだけどさ。

 たまには別の名前をって考えたこともあるのだが、有名な脇差しの名前ってほとんど知らないんだよね。

 既存の名前を気にする必要もないんだけど、まあいいやって感じ。


 後、付与魔法のレベル上げも兼ねて、魔法が付与された刀を大量に作った。

 素材が鉄なので二つしか付与出来ないが、付いているのが斬撃強化(大)と衝撃耐性++だから、そんじょそこらの剣とは格が違う。


 骨剣そのままでも良かったんだけど、鍛冶の腕も鍛えたかった。

 レベル10だから無意味かもしれない。でも剣術みたいに10を突破する可能性が無いとも言えない。

 それに強力な武器の量産は、軍の強化に絶対役に立つはずだ。



 ミスフィートさん、もう少しだけ待ってくれ!貴女の軍を俺は最強にしてみせる!

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