教室 〜駆け巡る思い〜
おくもと
第1話
春。出逢いと別れの季節。
今年もその季節がやってきた。
「今日からこのクラスの授業を担当する事になりました。山﨑透です。」
俺は今、教壇に立っている。そう、教師ってやつになったのだ。
大した大人にもなれなかった俺が教師なんて笑える話だ。
教師になると決まった時も友達には「お前にだけは教わりたくない」などとバカにされたものだ。
「今日は最初なので、オリエンテーションがてら自己紹介をしたいと思います。」
そう言った俺は簡単に自己紹介をした。
「以上で自己紹介を終わります。他に何か質問とかあれば答えます。」
チョークを置く音が教室に響く。
すると、
「先生何歳ですか?」
お調子者そうな生徒がニヤニヤしながらそう言葉を発した。
定番の質問である。
「今年で23になります。」
そう淡々と答えた。若いやらなんやらと生徒が少し騒ぎ始めた。
「彼女いますか?」
これも定番である。こうゆうのはテキトーに流すのが楽だ。
そんなこんなで多少質問が続いたが淡々と答え過ぎたためか、すぐに沈黙になった。
(早くチャイムならないかなぁ)
そう思っている時こそ時間の流れは遅く感じる。
きまずい時間が流れやっとのことでチャイムが鳴った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます