だから僕はスーパーヒーローを諦めた

八山スイモン

第1話 プロローグ


「初めまして。私、NNK英雄報道局の谷坂たにさかと申します。篠原しのはらさん、本日はよろしくお願いいたします」


「ああ、よろしく。そんなにいい話はできないと思うけどね」


「とんでもございません。むしろ、わざわざ時間を取っていただき、本当にありがとうございます。あなたに会うことは、幼い頃からの夢でしたから」


「はは、君はちょうどそれくらいの年齢か。さぞかし、褒め称えられていた私を見てきたのだろう」


「ええ、誰も彼もが『キャプテン・グランド』の名に憧れていましたからね。

 ……っと、すみません。癪に障りましたか?」


「いや、そこまで気にしてないさ。気楽にしてくれ」


「ありがとうございます。それでは、早速ですが聞かせていただけませんか。




篠原良司りょうじさん、あなたがを」

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