ミズノウズメ【しっとり/異端/毒】

ミズノウズメ


「はいどうも〜」

「『コバルトブルー』です!よろしくお願いします〜」

「ありがとうございますね〜」

「今日はさ、彼女のことで悩み聞いて欲しくて」

「あら、いいじゃないですか。っていうか彼女なんていたんですね」

「少し前からね、すいませんね」

「なんかやらしいな。どんなコなんですか、ほら、誰か有名人に似てるとか」

「んー、そうねぇ、モナリザかな」

「モナリザ!?あの!?」

「大分似てるね」

「あなたってジョジョ4部のボスかなにか?」

「なんていうか、その、下品なんですが」

「手で勃起すんな!他になんかないの?性格はどうとかさ」

「そうね、しっとりしてるかな」

「おしとやかってことね。いいじゃん静かな子って」

「いや違くて、しっとりしてる」

「は?また下ネタ?」

「フフ」

「下ネタじゃねぇか!」

「いやごめん違うのよ。本当にしっとりしてるんだって」

「どういうことなのよ」

「あの〜、『ミズノウズメ伝承』って、ご存知ですかねぇ〜」

「突然稲川淳二みたいになってきましたけど!?」

「ミズノウズメは呪われし女……。その皮膚からは常にじっとりと毒の水が滲み出し、その毒に一たび触れれば生きていられる者はおらず、女の住処の周囲には草のいっぺんも生えぬのでございます……」

「本格ホラー始まったんですけど?」

「ところでさ、俺って実は不死身じゃん?」

「なになになになに??」

「死ねない呪いをかけられてるじゃん?」

「ワンピースその他にいる強キャラか?」

「全てを殺す毒の女と、不死の男が出会ったのです。二人の異端が出会った!これを奇跡と呼ばずになんと呼ぼうか!おぉ神よなんてことを!」

「……」

「という、わけ」

「うるせぇのよ!」

「いやでも聞いて。困ってるのよ」

「もうなんでもいいよ」

「最近彼女がどっかの会社に閉じ込められてて」

「あら、ひどい話だね」

「なんでも彼女の毒が新型感染症に効くらしくて、そこでめっちゃワクチン作らされてるんだって」

「あれ、彼女さんのお名前ってなんでしたっけ?」

「モデルナ」

「似てるの名前だったの!?」

「ありがとうございました」

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