ドカ・キッド【クリーム/男の子/地獄】
本日の地獄のトップニュース。
賽の河原の石が、"積みきられた"。
積んだのは10歳にもならない男の子だとか。
現場に残されていたのは積みあげられた石の塔、累々たる鬼たち、そして白いクリーム状の何か。
少年は石を積みあげた功徳で輪廻を離れたと思われた。
この不祥事で閻魔は更迭。
子供を救うために良い感じのタイミングで現れた地蔵菩薩の面目は丸潰れ。もう子供は救わないと言い出してるとかなんとか。
僕が目を覚ますとそこは知らない天井。真っ白な布団、号泣する父さんと母さん。
僕が戻ったことに気づくと父さんと母さんは僕を抱き締める。
父さんが教えてくれた通りだった!
敬虔過ぎる仏教徒であるおじいちゃんに反抗していた父さんは、万が一に備えて僕に秘策を伝授していた。
セメント。
賽の河原には父さんの予想通り、子供たちのガイコツがたくさん転がっていた。石灰質。
僕は鬼の目を盗んで見知らぬ子供達の骨を砕いて水(ここは河原だ!)と混ぜ、クリーム状のセメントにする。
そこに砂と小石を混ぜれば即席のコンクリートの完成。
あとはコンクリート施工の石の塔を作って徳積み完了。
鬼たちが崩そうとしてきたけど、金棒程度じゃビクともしない。
あとは三途の川をこれまた父さんに仕込まれたクロールでゆうゆうと泳ぎきって此岸に到達、無事復活。
これが顛末。
そういえば、川を渡るときにどこからか声が聞こえた気がする。
なんかゲダツ?とかいうのが出来るとか。
でもそんなのどうでもいい。
父さんと母さんのところに戻るのが一番なんだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます